Amazonのアカウント停止の原因と対策!中国輸入で気を付けるポイントとは?
Amazonは楽天市場やヤフーショッピングに比べて出店審査はそれほど厳しくなく、物販が初めての人でも比較的簡単に始めることができるメリットがあります。
しかし、利用を始めるとAmazonの規約が非常に厳しいことに気づきます。
そして、規約違反だけでなくアカウントの健全性まで細かくチェックされ、Amazonの目標基準を下回ると警告が来てアカウント停止になるリスクがあります。
今回の記事では中国輸入でAmazonを利用している方のために、アカウント停止になる原因と対策について解説します。
アカウント停止になった場合の対応策についても触れますので、Amazonの厳しい体制に不安がある方はぜひ最後まで読んで参考にしてください。
目次
中国輸入でアカウント停止になりやすい3つの原因
中国輸入でAmazonから警告の対象となり、アカウント停止に発展する可能性のある主な原因は下記の3つです。
・偽ブランド商品の販売(真贋調査)
・アカウントの健全性の低下
・法律違反
これらの項目に何らかの問題があると疑われたとき警告メールが届き、対応せずに放置するとアカウント停止に進むこともあります。
偽ブランド商品の販売(真贋調査)
真贋調査は「あなたが出品している商品は本物ですか?」というAmazon側からの確認で、調査目的は消費者を偽物や模倣品から守ることです。
真贋調査が入るとアカウントは一旦停止され、調査理由に応じて商品を仕入れた際の領収書・請求書・売買契約書、及び改善報告書などの書類を提出をしなければなりません。
真贋調査の種類
真贋調査はその理由により下記の3種類に分類できます。
・購入者からの通報
・メーカーからの通報
・ランダムピックアップ
ランダムピックアップは、アカウントを開設してから1年未満の出品者が調査対象となりやすいケースです。
出品内容に特に問題がなくても、その中から3点がランダムに選出されて真贋調査を受ける形で、正規品を扱っていることを証明する領収書などの提出が求められます。
真贋調査が来たときの対策
調査対象となった場合は、理由を把握した上で下記の要領で迅速に対応しましょう。
・領収書・請求書・売買契約書等の提出
・改善計画書の提出(ランダムピックアップの場合は不要)
改善計画書については、後で詳しく説明します。
アカウントの健全性の低下
Amazon出品者の販売状況は、Amazonの基準に従って健全性が厳しく査定されています。
この査定はアカウントヘルスと呼ばれ、出荷遅延率、注文不良率、出荷前キャンセル率といった様々な項目がありそれぞれに数値目標が設定されています。
これらの数値がAmazonが設定している目標値を下回る時期が続くと、ビジネスの維持が困難になり、アカウント停止の原因になることも珍しくありません。
ここでは特に注意すべき3つの指標を説明します。
出荷遅延率:目標値4%未満
FBAを利用せずに自己発送で出荷を対応している出品者が主な対象者となります。
Amazonの出荷予定日は自己発送の場合、自分で自由に設定可能です。
しかし、その期日を守れない場合は出荷遅延としてカウントされ、度重なると出荷遅延率が悪化します。
出荷遅延率は直近の10日か30日の注文に対する出荷数を分母として計算され、どちらかの率がAmazonの目標値である4%を超えると注意喚起の通知が届きます。
それでも改善されない場合は出品停止の措置がとられることがあり、最悪はアカウント停止につながるため注意が必要です。
出荷遅延率が悪化するのは、発送までのハンドリングタイムの設定が短すぎることが原因のことが多いので、注意喚起が来た時点で見直しを図りましょう。
注文不良率:目標値1%未満
注文不良率はAmazonが良好な顧客満足度を維持する能力を判断する指標で、 指定された60日間の注文の合計に対するすべての注文不良数の割合です。
簡単に言うと、購入者が受け取った商品に対する不満足度とも言え、下表の低評価率・マケプレ保証申請率・チャージバック申請発生率の3つで査定されています。
低評価率 | 低い評価(5段階中の1か2)が付けられた割合 |
マケプレ保証申請率 | Amazonマーケットプレイス保証申請が承認された割合 |
チャージバック申請発生率 | クレジットカードのチャージバックが発生した割合 |
このうち最も注意すべきは低評価率です。
なぜなら他の2つは返品や返金に対して発生するものであり、クレームが来た時点で購入者と交渉の余地があるからです。
低評価は購入者の主観がはいるために、梱包状態が悪いだけでも低評価となることがあります。
もちろん、不当な評価に対しては、Amazonへの削除依頼や購入者への連絡などの対応も可能ですが、すべてが受け入れられる訳ではありません。
Amazonの注文不良率の目標値は1%未満ですので、かなり厳しい基準です。
したがって、商品の品質はもちろんのこと、梱包状態や間違った商品を送らないよう日頃からしっかりした管理が必要です。
出荷前キャンセル率:目標値2.5%未満
出荷前キャンセル率は指定された期間の総注文件数に対し、出品者が 出荷通知を送信する前にキャンセル “した注文数の割合です。
つまり、注文を受けながらも出品者事情で注文をキャンセルした取引が対象で、目標値が2.5%未満となっています。
購入者都合によるキャンセルの場合は、ペナルティとならずキャンセル率に含まれません。
出荷前キャンセルとなる原因は、在庫切れや商品破損がほとんどですので、日頃の在庫管理を怠らない努力が必要です。
法律違反
法律違反はAmazonが最も重く受けとめる内容であり、アカウント停止どころか一発でアカウント閉鎖にもなりかねません。
法律違反に該当する項目は下記の通りです。
・特定商取引法違反
・知的財産権の侵害
・薬機法違反
・商標権の侵害
これらは顧客保護だけでなく、製造者の権利を守ることも重視されています。
法律を守りながらビジネスを行うのは当然のことであり、違反するとアカウント閉鎖だけで済まずに、悪質な場合は逮捕される可能性もありますので注意が必要です。
中国輸入の場合は、特に偽物対策や商標権の侵害に気を配る必要があります。
2022年の関税法改正に基づく詳しい情報は、下記の記事で解説していますので、不安な方はぜひ参照しておいてください。
アカウント停止を未然に防ぐ方法
Amazonで長期的にビジネスを行うには、厳しい規約やルールを守る必要があります。
アカウント停止は誰にでも起こり得ますので、未然に防ぐためには下記事項を参考に対策してください。
FBA(フルフィルメント バイ アマゾン)を利用する
中国輸入が軌道にのり商量が増えてくると、商品管理や発送作業も大変になります。
気を付けていてもちょっとした不注意で、出荷遅延や在庫切れなどアカウントヘルスに悪影響を与えることになりかねません。
そこでAmazonのFBA利用をおすすめします。
FBAはAmazonの専用倉庫であり、注文処理・配送・返品など物流から顧客管理全般を代行してくれるサービスです。
輸入代行業者によっては、中国から直接FBA倉庫へ納品してくれるところもありますので、利用しない手はないでしょう。
FBAについては下記記事が参考になりますので、まだご利用でない方は参照ください。
アカウントの健全性を目標数値内に納める
アカウントの健全性はセラーセントラルのダッシュボードにおいて確認できますので、必ず定期的にチェックしましょう。
目標数値内に納めるよう商品の品質や発送に気を配り、ユーザーとのやり取りも丁寧に行っていると、クレームにもなりにくいものです。
目標数値を超えてしまったからといって、すぐにアカウント停止ななることは殆どありませんので、落ち着いて自主的に改善を図りましょう。
注意喚起メールを見逃さない
Amazonからの注意喚起メールを見逃して放置していると、ある日突然、アカウント停止になる可能性があります。
日々のメールチェックは必ず行い、注意喚起が来たらすぐに謝罪と改善を図る旨を返信しましょう。
注意喚起メールには、目標数値を下回った項目に対し、改善に向けたポイントも示されていますので、それに従ってすぐに行動に移すことが重要です。
アカウント停止から復活する方法
気を付けて運営していても運悪くアカウント停止になった場合もありますが、きっちり対応すれば解除され営業を再開させることが可能です。
アカウント停止に至った場合は、改善計画書を作成して提出する必要があります。
作成にあたっては、下記のAmazon セラーセントラルのヘルプページより、テンプレートを参照することができます。
※参照にはご自身のIDとパスワードが必要です。
改善計画書は下記の流れで作成します。
・規約違反の内容
・規約違反の原因
・同じ違反を起こさないための具体的な施策
・改善策を実施した場合の効果
・改善策の実施期日
・改善策の効果が見込まれる時期
・改善策実施責任者名
書き方のポイントは、簡潔に分かり易くできるだけ数値化することです。
対策は恒久的なもの、つまり二度と同じ違反を繰り返さないための対策となりますので、指摘された内容を十分理解した上で対策を作成します。
そして、その対策を徹底するためのマニュアルを用意すれば通りやすくなります。
まとめ
Amazonの規約はこれまでの傾向から見て、今後も厳しくなることはあっても緩むことはないでしょう。
アカウントスペシャリストの対応も、極めて機械的で交渉の余地がありません。
アカウント停止に対して改善計画書の内容が不十分であれば、差し戻されるケースも珍しくないのです。
もちろん、計画書を出さないのは論外で、アカウント閉鎖につながる可能性があります。
したがって、出品者としては、Amazonの規約やルールを厳守し、アカウントヘルスに気を配りながら、しっかりとした運営が心がけましょう。
それでも、アカウント停止に至った場合は、その背景を十分理解した上で丁寧かつ適切に対応することが大切です。