【中国輸入販売に有利!】楽天市場への出店方法とメリット・デメリット
中国輸入販売に慣れてくると、販売ルートを増やしたいと思う方もいらっしゃるでしょう。
Amazonは国内最大の年商3兆円規模のECサイトで、会員登録も比較的簡単で誰でも始めることができるので、現在利用している人が多いと思います。
しかし、2番手で年商2兆円以上の規模を誇る楽天市場へ、出品をしている人は少ないかも知れません。
なぜなら、Amazonとは違って厳しい出店審査があるからです。
しかし、楽天市場は厳しい出店審査があるだけに、中国人出品者が少ないという中国輸入事業者にとっては大きなメリットがあります。
今回の記事では、楽天市場へ出店する方法を初めての方でも分かるように丁寧に解説しますので、興味のある方はぜひ最後まで読んで、楽天市場を販売ルートに加えてください。
目次
楽天市場の出品手数料及び注意事項
楽天市場は、商品を出品するタイプのECサイトとは違い、プラットフォームの中に店舗を出店するタイプの、言わばECモールの形態を取っているのが特徴です。
ここでは、楽天市場へ出品するにあたり、どの程度のコストを見込む必要があり、出品する商品においてどのような注意が必要かを説明します。
楽天市場の出品コスト
楽天市場での販売には、初期費として一律6万円が必要であり、それ以外に月額費用と売上規模やサービス利用量に応じて必要となるコストがあります。
月額費用は、「がんばれ!プラン」「スタンダードプラン」「メガショッププラン」の3つが準備されており、下表の通り登録可能な商品数、画像容量などの条件が異なります。
月額費用以外の費用はプランのグレードが上がるほど有利になる仕組みもあり、下表のような内容が提示されています。
楽天市場の初心者の人は「がんばれ!プラン」からスタートし、月商が140万円を超えたあたりを目途として「スタンダードプラン」へ移行すれば、有利なコストで店舗運営が可能です。。
「スタンダードプラン」と「メガショッププラン」の違いは、出品数や画像容量に制限があるかないかで、コスト面での違いはありません。
出品商品における注意事項
楽天市場では、取扱い禁止や出品にあたり事前承認の必要がある商品が下記の通りありますので、注意が必要です。
・取扱い禁止商品
- 法令で販売・所持が規制されているもの
- 公序良俗、モラルに反するもの
- 商品に関する契約等で譲渡・転売が禁止されているもの
- 悪用されるおそれのあるもの(身分証明書・個人情報等)
- 青少年の保護育成上好ましくないもの(アダルト系商品等)
- 危険なもの(爆発物・毒物等)
- 他人の権利・利益を侵害する可能性のあるもの(偽造品等)
- その他楽天が不適切と判断したもの
※政治・宗教・ネットワークビジネス・暴力団関係の方の出店も禁じられています。
・出品にあたり事前承認が必要な商品
出品前に事前審査が実施され、確認書などの書類提出が必要になるケースの主な商材は以下の通りです。
- 医薬品、医薬部外品、医療機器(コンタクトレンズを含む)
- おせち料理
- PCソフトウェア
- 楽天市場指定ブランドメーカー品
- 回線契約を伴う商品
- 販売に際して免許等を必要とする商品(食品、酒類、中古品等)
- プロスポーツライセンス商材
- メーカー、産地などから購入者へ直送される商品
詳細につきましては、下記の楽天市場ホームページを参照下さい。
参照:楽天市場ホームページ・出店審査や取扱商材に関する注意事項
楽天市場の出店審査から開店まで
楽天市場で販売を行うには、「出店審査(書類審査)」と「開店審査」の2種類の審査を通過する必要があります。
そこで、最初に楽天市場への出店審査の手続き及び開店準備、開店審査を通過するまでのポイントを解説します。
楽天市場への出店申し込みと出店審査(書類審査)
楽天市場へ店舗を出す手順は、出店申し込みから始まります。
まずは楽天市場公式ウェブサイトから専用の申し込みフォームをダウンロードして、必要事項を入力し、利用規約に同意した上で送信することで、出店審査が開始されます。
法人の出店審査にあたっては、以下の書類が必要です。
- 出店申込書(WEB入力後、最終的に原本提出)
- 審査書類(WEB入力後、最終的に原本提出)
- 取扱商材の販売に必要な営業許可・資格等の書類(古物・酒類・食品・医薬品販売等)
- 取扱い商材の写真
- 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
個人事業主の場合は、上記以外に以下の書類が必要となります。
- 住民票/印鑑証明
- 実店舗の写真
審査結果の連絡までには、およそ2週間から1ヵ月程度を見込んでおきましょう。
書類に不備があった場合は追加提出が求められ、さらに日数を要しますので提出前に漏れがないかしっかり確認することが大切です。
ただし、審査を申し込んでも、必ずしも出店が許可されるわけではありません。
再申請は可能ですが、審査を通らなかった理由や審査基準は公開されていませんので、自分で推測する必要があります。
これまでの傾向から、審査を通らない理由には下記のようなものが挙げられていますので、審査に落ちた場合は参考としてください。
- 楽天市場の店舗として実績や知名度などが不十分
- 楽天市場で販売不可能な商材を扱っている
- 楽天市場で販売するには商品の品質が不十分
- 楽天市場へ個人の副業ベースで出店しようとしている
開店審査
出店審査を通ったあとは、楽天市場の店舗運営システムRMSを利用して、開店準備を進めます。
店舗のデザインやレイアウト、商品登録、支払い及び配送方法の設定など、楽天市場に構えるオンラインショップを構築していきます。
このあたりが単に商品を出品するだけで済むAmazonとの大きな違いです。
開店審査では、下記のような項目がチェックされますので、しっかりと対応や作り込みをしておきましょう。
- 店舗ルール検定試験に合格していること
- 楽天からの振込口座の登録
- 楽天への自動振替設定口座の登録
- 配送業者や送料、発送元情報など配送方法の設定
- 商品画像や詳細説明、価格、在庫情報など商品情報の登録
- 取扱い商品に関するカテゴリーページの作成
- 楽天ペイやクレジットカード、代金引換、銀行振込など支払い方法の設定
- ショップのデザインやレイアウトの作成
審査内容を見ると大変そうですが、ショップ構築において楽天の店舗オープンアドバイザーによるサポートを受けることができるので、初めての人でも安心です。
楽天市場で販売するメリット・デメリット
楽天市場を利用するにあたっては、メリット・デメリットを理解しておくことは重要です。
メリットは、自社の強みを生かせるのかの判断になり、デメリットは進出するにあたってどのような障害があるのかが分かりますので、ここで確認しておきましょう。
楽天市場で販売する5つのメリット
楽天市場で販売するメリットは、中国人出品者が少ない以外にも、下記のようなものがあります。
メリット1:圧倒的な集客力による販売効果
楽天市場は日本国内2番手の大手ECサイトであり、Amazonと同様に圧倒的に高い集客力を背景に販売することが可能です。
ユーザー層としては、ECモールという買い物を楽しめるサイトの特徴から、他のECサイトに比べて女性客が多く、あらゆる世代の女性をターゲットにできます。
したがって、ファッションや化粧品、生活雑貨、健康関連商品、食料品などの分野で大きな需要が見込めるでしょう。
メリット2:楽天市場独自のマーケティング支援
楽天市場では「楽天スーパーセール」を代表に、定期的に大規模なセールやキャンペーンが開催されています。
それらの集客活動を活用することで、出品者は効果的なマーケティングを行うことができ、リピーター獲得がしやすい環境にあります。
メリット3:楽天ポイントの効果的な活用
楽天ポイントは、楽天市場に限らず「楽天カード」で支払いや、「楽天モバイル」の支払いなど、楽天グループのサービス利用で貯めることができます。
特に「スーパーポイントアッププログラム」という制度があり、楽天グループのサービスを使えば使うほど、楽天市場のポイント倍率が高まるため、他のECサイトよりも楽天市場を活用するというユーザーが育っています。
メリット4:楽天市場の独自物流システムの利用
楽天市場では、「楽天スーパーロジスティクス」という、出店者向けの物流アウトソーシングサービスが提供されています。
出荷梱包作業や配送作業の効率化だけでなく、専任のコンサルタントスタッフのサポートにより、店舗の売上アップを図ることも可能です。
メリット5:高い信頼性によおる売上効果
ECサイトでの販売おいては、「信頼性」は非常に重要です。
ご自身でも経験あるかも知れませんが、多くのユーザーはショップが信頼性を書くにんするために、レビューを参考に買い物をしているからです。
楽天市場の店舗は、厳しい審査を通過したことが認知されており、実際、この記事で解説した通り、いい加減なショップは楽天市場で販売できません。
このような環境が整った楽天市場だからこそ高い信頼性を維持しており、店舗の売上アップにもつながっています。
楽天市場で販売する3つのデメリット
楽天市場で販売するデメリットには、下記のようなものがありますので、事前にチェックしてこんなはずではなかったがないようにしておきましょう。
デメリット1:出店及び販売コストが高め
すでに解説しました通り、楽天市場での販売には初期費用・月額費用、販売量に応じた各種のコストがかかります。
出品モールという形態から、他のプラットフォームよりも少し高めの費用がかかり、内容を抑えて店舗運営を図らなければ利益を圧迫する要因になるかも知れません。
デメリット2:競合が多い
楽天市場における出店数は、2023年3月末時点で5万7,079店まで拡大しており、今後も増加傾向にあります。
したがって、ジャンルによっては厳しい審査を通過した強豪ライバルも多く、同じ商品を扱っている場合は、価格勝負となるかも知れません。
その場合、いかに上手く楽天市場のプロモーションやセールを活用するかがポイントとなるでしょう。
デメリット3:厳しいルールの遵守
大手ECサイトに共通することでもありますが、楽天市場の店舗運営には厳しいルールがあり、違反するとペナルティが課せられます。
楽天市場はECモール形態への出店といっても、独自サイトではないため、自由な販売活動は制限されるので、取扱い商品や販売方法には注意が必要です。
まとめ
今回の記事では、中国輸入の追加販売ルートとして、楽天市場に出店する方法やメリット・デメリットを詳しく解説しました。
楽天市場はECサイトへ出品するというよりも、自社店舗を出店し運営する形態であるECモールの形を取ります。
したがって、審査や運営ルールも厳しく、店舗運営にもさまざまなルールがあり手間がかかります。
それでも抜群の集客力があり、特に中国人セラーが少ないという点では、メリットが大きいでしょう。
ジャンルによっては、他のECサイトよりも大きな販売が期待されるので、販売ルートの追加としては有望なプラットフォームです。
今回の記事で興味を持たれた方は、ぜひチャレンジしてください。