Amazonの「ベンダーセントラル」と「セラーセントラル」の違いとは?メリット・デメリットを徹底解説!
中国輸入ビジネスの販売においてAmazonを利用している人も多いと思います。いろいろと規制の厳しいプラットフォームですが、圧倒的な集客力は魅力的です。
そのAmazonでの販売形態にはセラーが利用する「セラーセントラル」以外に、ベンダーが利用する「ベンダーセントラル」があるのをご存じの方は少ないかも知れません。
今回の記事では、そのAmazon販売における「ベンダーセントラル」に焦点を当て、「セラーセントラル」との違いを解説していきますので、これからAmazonを利用される方も参考にして下さい。
目次
Amazon販売における「ベンダーセントラル」とは?
Amazon販売におけるベンダーとは、Amazonへ直接商品を卸して、その後の販売から発送までの全てをAmazonへ任せる販売元のことを言います。
Amazonで商品を購入するときに販売元がショップ名ではなくて、下図で赤枠で囲ったところのように、「Amazon.co.jp」となっているのを見ることがあると思います。
これがベンダーによって納入された商品をAmazonが販売しているときの形態で、ベンダーが利用しているシステムが「ベンダーセントラル」です。
ベンダーセントラルのメリット
ここではベンダーセントラルが販売者にもたらしてくれる、4つのメリットについて確認していきましょう。
販売元のAmazon表記が購入者の信頼を得やすい
前述のようにベンダーの商品は、販売元がショップ名ではなくて「Amazon.co.jp」と表示されるため、購入者の安心感を得られる傾向があります。
また、商品購入ページで「この商品はAmazon.co.jpが販売、発送します」と表示されるため、購入者の信頼を得られ売上が上がりやすくなります。
このようにAmazonという「信頼の看板」を利用して商品の販売ができることで、自社で出品販売するよりも大きな売上があがる可能性が強いです。
カートボックスの獲得率が高い
Amazonの販売において、ほとんどの出品者がカートボックスを取ることを意識しています。
Amazonで商品を購入する人達は、新製品であればカートボックスから自動的に買う傾向があるため、出品者にとってはカートボックスを取ることがとても重要な意味を持つのです。
カートボックスの取得率はベンダーもセラーも変わらないとされていますが、実際はベンダーの方が獲得率が高くなるので大きなメリットと言えるでしょう。
Amazon販売における運用が効率的である
ベンダーセントラルではAmazonへ商品を卸した後は、販売から顧客対応、在庫管理、発送までのすべての行程をAmazonが対応してくれるので運用に手間がかかりません。
商品の販売促進のためのマーケティング広告でも、グローバル企業として知識・経験の豊富なAmazonに委託できるので得られる効果は大きいです。
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また、梱包や配送などの業務を自社運用で行う場合は人員コストがかかりますが、ベンダーセントラルを用いるとAmazonにすべて任せることで効率化が図れます。
利益計算が簡略化される
Amazonに商品を卸した時点で利益金額が確定するので、送料、梱包材、販売手数料といった計算は不要となり収益管理が非常に簡単です。
ベンダーセントラルのデメリット
ベンダーセントラルは非常に便利なシステムですが、そのメリットがデメリットに変わる可能性があることも知っておきましょう。
Amazonからの発注が止まる可能性がある
Amazonに卸した商品は、その売れ行き次第ではAmazonからの発注が減少したり、最悪ゼロになるケースもあります。
発注数量が小さくなると、販売価格に占める輸送費コストの割合も増え、収益圧迫要因となります。
そのためベンダーといえど販売状況が悪い場合は、広告運用や商品ページの改善を図るなどにより、販売アップのための施策を実行することが必要です。
販売価格はAmazonが決める
Amazonでの販売価格をベンダーが決める権利がなく、ベンダーセントラルにおけるAmazon側の需要予測によって販売価格が頻繁に変動します。
これにより得たい利益率を実現できず売上高に影響を及ぼすことも十分に起こるのです。
また、他の販売ルートを考慮した市場価格を統一することが難しく、Amazonでの値崩れによってブランドイメージに影響を受けることがあります。
Amazonへ卸価格で商品を提供する必要がある
Amazonへ納入するときの価格は卸価格であり、取引条件はカテゴリー毎に異なるようで、公開はされていません。
また、Amazonがマーケット状況を見ながら販売数量を上げるために、卸価格の値下げを要求されることもあり収益の圧迫要因となります。
Amazonからの招待制である
べンダーとなるにはまずセラーとしての販売活動がAmazonに認められる必要があり、誰でもなれるわけではありません。
招待されるには、下記のような条件を満たしている必要がありますが、数値的な基準は公表されていません。
・Amazon カテゴリランキングの上位の商品を販売している
・世間的認知度が高い人気ブランドである
Amazon販売における「セラーセントラル」とは?
Amazonのプラットフォーム上で商品を出品し、直接販売を行うメーカーや業者、個人の出品者のことをセラーといい、セラーが使うシステムが「セラーセントラル」です。
セラーセントラルの出品形態には「大口出品」と「小口出品」があり、特徴は下記の通りです。
大口出品:月間登録料として4900円(税別)がかかり、一括出品ツールや各種ビジネスレポートなどの機能が利用可能
小口出品:月間登録料の代わりに商品が売れる毎に制約料金100円が商品毎にかかり、一括出品ツールや各種ビジネスレポートなどの機能は利用不可
販売者は出品数の大小によってどちらかを決めることが一般的であり、出品形態はいつでも切替が可能です。
セラーセントラルのメリット
ここでは、セラーセントラルで享受できる4つのメリットを見ていきます。
販売価格を自由に設定できる
セラーセントラルでは、商品の売れ行きや競合の価格、取りたい利益等に基づいて販売価格を自由に設定することができます。
ベンダーセントラルでは、Amazonが売行きやカートボックスを取る都合で価格を下げることも多く、セラーセントラルのほうが利益率が高い傾向があります。
発送方法を自由に設定できる
AmazonのFBA倉庫を利用すれば、ベンダーセントラルと同程度に発送作業は簡略化できます。また、自社出荷や契約倉庫からの出荷など、発送方法はセラーセントラルで自由に設定が可能です。
商品を自由に出品できる
Amazonによる出品許可が必要な商品もありますが、基本的にセラーセントラルではどんな商品でも自由に出品できます。
これにより、販売計画に沿った営業活動や新製品を販売して売行きを見ることも可能です。
参入が簡単である
ベンダーセントラルが招待制であるのに対し、セラーセントラルは誰でも利用が可能です。多くの会社員や主婦の人達が、セラーセントラルを利用して副業している背景はそこにあります。
セラーセントラルのデメリット
ここでは、セラーセントラルの4つのデメリットを確認していきます。
信頼を得るまで時間がかかる
販売元の表示が自社のショップ名となるのでAmazonブランドの追い風はなく、地道に販売を続けながら購入者の良い評価を積み重ねることで信用を築く必要があります。
商品やサービスで購入者の満足が得られなかったことにより、不本意なマイナス評価をつけられることもあるので販売活動には注意が必要です。
Amazonの利用手数料がかかる
ベンダーセントラルの利用手数料はゼロですが、セラーセントラルには前述の通り大口出品と小口出品の販売形態があり、それぞれの基準で利用手数料がかかります。
利益計算が難しい
セラーセントラルの場合、出品形態によってかかる費用以外にも、カテゴリーによって異なる販売手数料や配送費用など細かな費用がかかるので利益計算が複雑です。
競合が多い
参入が簡単なことより競合他社が多く、効果的な差別化ができていないと価格競争に巻き込まれやすくなります。
商品選定を誤ると大量の在庫をかかえたり、また在庫処分で赤字に転落するケースもあるので注意が必要です。
Amazonからベンダーセントラルへの招待がきたときの判断
ベンダーセントラルを利用するにはAmazonからの招待が必要なので、既述の通りまずはセラーとしての優れたパフォーマンスを示す必要があります。
しかし、セラーとして実績を上げたからといってベンダーになる方がいいかどうかは、以下を参考によく検討した方がいいでしょう。
ベンダーセントラル向きの出品者とは
ベンダーは販売活動における諸業務をAmazonが代行してくれるため、効率的で経費があまりかかりませんが、それは納品以後のすべてをAmazonに任せることを意味します。
したがって、すでにOEM化した売れ筋商品やブランドを持ち、さらに販売実績を拡大していく場合は、ベンダーとなりベンダーセントラルを利用する意味はあるでしょう。
ただし、価格政策やマーケティングなどを自社で自由にコントロールできないことを認識しておく必要があります。
セラーセントラル向きの出品者とは
新製品の開発により市場の反応を見ながら販売活動を行う場合や、販売価格や販促活動を自分でコントロールしたい場合は、セラーセントラルの利用を続ける方がいいでしょう。
また、将来的にD2Cへの展開を視野にいれている場合は、Amazonというブランドを利用するよりも、セラーセントラルで自社のブランド力を強化した方が得策です。
まとめ
今回の記事では、あまり知られていないAmazonのベンダーセントラルをセラーセントラルとの比較で紹介しました。
ベンダーセントラルのメリットを享受したい場合でも、Amazonからの招待が必要なので、日々の営業活動での努力は必須です。
また、ベンダーセントラルへの招待が得られた場合でも、解説したメリット・デメリットもよく考慮した上で、自社に合った方法を取ることをおススメします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!