Amazonスポンサー広告の基本から運用のコツまで一挙に解説!
2022.04.30更新
「Amazonに出品しているけどなかなか売り上げが伸びない」
「Amazon広告を利用しているけど、コストばかりかかってしまっている」
そのような悩みを持つ人向けに、この記事ではAmazon広告の基本から運用のコツまで一気に紹介していきます。今回はAmazon広告の中でもAmazonサイトの検索結果に広告を表示できる
● スポンサープロダクト広告
● スポンサーブランド広告
● スポンサーディスプレイ広告
の3種類について紹介していきます。
Amazon広告運用は難しそう、と足踏みしている人もいると思いますが、この記事をヒントにして広告運用をしてみてはいかがでしょうか。
なお、今回の記事ではセラーアカウント向けの解説となっており、ベンダーアカウント向けの解説は含んでいません。
目次
Amazon公式の広告サービスとは?3つの種類を解説
Amazonに出品しているけど、Amazon広告は難しそうでよくわからないと思う人も多いのではないでしょうか。
ここではAmazon広告の基本から、Amazonの検索結果内に広告を表示させる
● Amazonスポンサープロダクト広告
● Amazonスポンサーブランド広告
● Amazonスポンサーディスプレイ広告
上記3種類の広告について解説していきます。これらの広告はまとめて「スポンサー広告」と呼ばれ、広告主が自分で広告を出稿できます。自分ですべての広告を設定できるので、Amazon広告をはじめて利用する人におすすめの広告になっています。
なお、スポンサー広告はすべて課金型システムを取り入れており、広告を出稿するのに初期費用はかかりません。
Amazonスポンサープロダクト広告とは?
Amazonスポンサープロダクト広告とは、GoogleやYahoo広告と同じように、広告主が設定したキーワードによって検索結果に表示される広告タイプです。
表示される広告は「広告を設定した商品ページ」をもとに自動生成されます。Amazonユーザーは広告をクリックすることで、商品ページにアクセスできる仕組みになっています。
Amazonスポンサープロダクト広告で指定できるターゲット方法は
● マニュアルターゲティング
● オートターゲティング
の二つに分かれており、マニュアルターゲティングの場合は個別のキーワードを設定できます。オートターゲティングの場合は、商品ページの情報をもとに自動的にキーワードが設定されるタイプです。ただ、オートと言っても例えば商品ページに広告を配信するときに、「代替商品」なのか「補完商品」なのか選ぶことができ、ターゲティングの範囲や単価を調整して配信することもできます。
広告設定に慣れないうちは「オートターゲティング」を使って広告を運用していきましょう。オートターゲティングで得られたキーワードレポートを使って傾向をつかみ、別の広告を設定して運用すれば、より高い運用効果を得られます。
Amazonスポンサー広告のうち、最初に始めやすいタイプがこのスポンサープロダクト広告です。
Amazonスポンサーブランド広告とは?
Amazonスポンサーブランド広告は、自社ブランドや商品カテゴリーの認知度を上げるための広告タイプです。広告はAmazon検索結果の上部に表示され、ユーザーがクリックすることで広告主のストアにアクセスする仕組みです。ストアとはブランド独自の商品ページで一般的に言われるランディングページのようなイメージです。
Amazonスポンサーブランド広告を利用するには、ブランド名とロゴ画像、見出しを登録する必要があります。
Amazonスポンサーブランド広告のターゲティング方式は
● マニュアルターゲッティング
● オートターゲティング
の2種類があり、運用方法は先ほど紹介したAmazonスポンサープロダクトと同じ仕組みです。
Amazonスポンサーディスプレイ広告とは?
Amazonスポンサーディスプレイ広告とは、ほかのディスプレイ広告と同じように特定のターゲティングに基づき表示される広告タイプです。ディスプレイ広告とはWebサイト上の広告枠に表示される画像広告・動画広告・テキスト広告を指し、バナーで表示される広告タイプです。そのため、一般的にバナー広告と呼ばれています。
ターゲティング方法には
● 商品ターゲティング
● オーディエンスターゲティング(興味・関心)
の2種類があり、商品ターゲティングは他社の類似商品のページやカテゴリーに広告を表示させることができます。オーディエンスターゲティングは、ユーザーの行動履歴を分析し、興味・関心情報に基づきターゲティングする方法です。
Amazonスポンサーディスプレイ広告は、広告を出稿した商品ページの情報をもとに自動生成され、ユーザーが広告をクリックすることで商品ページにアクセスする仕組みです。
初心者はAmazonスポンサープロダクト広告から始めよう
これまで紹介してきた3種類のスポンサー広告は、どのタイプでも簡単に設定できます。ただ、スポンサー広告の中でもスポンサープロダクト広告はブランドの登録が必要ないため、はじめてAmazon広告を運用する人にとって手軽に運用できます。
Amazonスポンサープロダクト広告の運用に慣れてから、ほかのタイプの広告を検討してみましょう。
Amazonスポンサープロダクトはどんな人向けのサービス?
それでは広告運用の初心者でも始めやすいスポンサープロダクト広告はどんな人向けのサービスなのでしょうか。
例えば、
● 商品ページへのアクセスが少なく、もっと露出を多くしたい商品
● 在庫一掃処分で在庫過多になった商品を処分したい
● 検索結果の上位に出品商品を掲載したい
など、広告を利用して売り上げを伸ばしたい人向けだと言えます。
Amazonスポンサー広告を利用するメリット
それではAmazonスポンサー広告の基本がわかってきたところで、広告運用のメリットについて見ていきましょう。
Amazon内の検索結果で露出度を高められる
Amazonスポンサー広告を利用するメリットは、検索結果内の目立つ場所に自社商品を表示させることで売り上げ向上につなげられることです。競合商品が多い場合、検索結果の上位に表示させるのは難しく、他社の類似商品の中に埋もれてしまいがちです。
広告をうまく運用すれば、Amazonの検索結果内の目立つ場所に商品ページを表示でき、売り上げを改善できます。
購買意欲の高い消費者に直接アプローチできる
Amazonにアクセスする人は、購入したい商品をすでに決めている消費者がほとんどでしょう。そのため、広告を掲載することにより、購買意欲の高い消費者に直接アプローチできます。
マーケティング業界では、一般的に消費者が購買までにいたるまでのプロセス(購買意思決定プロセス)をいくつかのパターンに分けています。購買意思決定プロセスのうち、代表的なプロセスとして「AIDMA(アイドマ)」がありますが、AIDMAではそれぞれのプロセスを
● 「注目」:製品の存在を知る
● 「興味」:製品に興味や関心を抱く
● 「欲求」:製品を欲しいと考え始める
● 「記憶」:製品を記憶する
● 「行動」:製品を購入する
に分けています。Amazonユーザーはアクセスする時点ですでに購入したい商品を決めており、AIDMAの最終プロセスである「行動」の段階にいます。
そのため、購買意欲の高いユーザーに直接アプローチできる点は、Amazon広告を運用する大きなメリットだと言えます。
なお、自社ブランドを消費者に広く認知させたい場合は、Amazonスポンサーブランド広告を使うといった使うとより効果的です。
Amazonのビッグデータを利用した確度の高いターゲティング
Amazonは多くのユーザーの行動履歴や興味関心をビッグデータとして蓄積しています。そのビッグデータはAI技術により、Amazon広告にも応用されています。Amazon広告には先ほど紹介したように、ターゲティングキーワードを任意に設定できたり、ユーザーの行動履歴を分析し、自動的に広告配信ができたりといった機能があります。
これらのAmazonが蓄積している膨大なビッグデータを活用することで、Amazonが持っている集客力をうまく利用できます。
競合他社商品の購買ユーザーを取り込める
Amazon広告を運用することで、Amazon内の検索結果や商品ページに広告を表示できるようになります。商品ページに自社商品の広告を掲載できるということは、競合商品ページ内にも広告を掲載できるようになります。
例えば、キーワード設定でマニュアルターゲティングを選択し、「モバイルバッテリー」などのカテゴリー商品を指定することにより、競合他社商品ページに広告を掲載できます。
そのため、商品カテゴリーをキーワード設定することで競合他社のユーザーを取り込める可能性があります。
Amazon広告を利用するための手順と注意点
これまでは3種類のAmazonスポンサー広告の基本と特徴について紹介してきました。Amazon広告の運用をこれから始めたい人は「Amazonスポンサープロダクト広告」がおすすめだと紹介しましたね。
ここからは初心者でも始めやすいAmazonスポンサープロダクト広告を例に、広告運用を始めるための条件や手順について見ていきたいと思います。
Amazonスポンサープロダクト広告を利用するための条件
Amazonスポンサープロダクト広告を始めとする「スポンサー広告」を利用するには、出品プランが大口プランでなければいけません。小口出品プランの場合は広告を利用できません。
Amazonスポンサープロダクト広告を利用するための手順
Amazonスポンサープロダクト広告を利用するには、
● Amazonマーケットプレイスに出品・出店
● 広告の管理者に権限を与える
● 商品ページを作成
主にこのような手順となります。
この記事を読んでいる人はすでに出品アカウントを持っていると思います。商品を出品した後は、広告を運用する担当にアカウント権限を与える必要があります。例えば、広告運用を外部業者に任せる場合は、その担当にログイン権限を与えなければいけません。
なお、ログイン権限を変更するには、Amazonセラーセントラルの設定から管理できます。
次に商品ページを作成します。スポンサープロダクト広告は、商品ページの情報をもとに自動作成されます。広告は商品ページの情報を参考にしますが、その中でも特に商品タイトルは商品名だけでなく、ブランド名や仕様などを盛り込み、しっかりと作りこんでおきましょう。
Amazon広告の料金体系
この記事で紹介してきた「スポンサー広告」は、出稿した広告がクリックされたときに費用が発生するクリック課金型(CPC)になります。広告が表示(インプレッション)されただけでは費用は発生しません。広告を出稿する場合、最低出稿料金もなく、1日の予算やクリック単価を好きなように決められます。
Amazonが集客する購買意欲の高いユーザーに対して広告を配信できるので、高い費用対効果を見込めます。
Amazon広告を利用するときの注意点とは?
Amazonスポンサープロダクト広告を利用する場合、まず決めておかなければいけない項目があります。例えば、
● どの商品の広告を出すのか
● 広告に割ける1日の予算
● キャンペーン名と広告グループ名
● 広告を表示させたいキーワード
上記で挙げた項目は最低でも決めておかなければいけません。さらに出品プランが「小口出品」だと広告を出せませんので、プランを「大口出品」に変えておく必要もあります。
また、広告を出稿するときは、商品ページから自動的に広告用のランディングページ(LP)が作成されるため、商品ページを作りこんでおく必要があります。商品ページの作りこみは検索結果にも影響を与えるため、キーワードなどを詳細に盛り込んでおくといいでしょう。キーワードについてもAmazonの広告掲載規約による制限があり、どんなキーワードでも設定できるわけではありません。Amazonが不適切だと判断したキーワードは掲載許可が下りませんので注意してください。
実際に広告運用を始める前に、いろいろと設定しなければいけないことがありますが、広告運用に慣れないうちは設定項目の数値には推奨値を入力しておきましょう。
なお、広告の運用を始めたら在庫を切らさないように注意しましょう。在庫が切れた状態で広告を運用してしまうと、無駄な費用を支払い続けてしまいます。
Amazon広告が禁止されている商品とは?
Amazon広告もすべての商品に対して広告を出稿できるわけではありません。例えば、アダルト商品やタバコ商品、銃刀類などは広告禁止の対象商品です。また、Amazonスポンサー広告の中でも個別に制限がかかっていますので、広告掲載の前にあらかじめ規約等を確認しておきましょう。
Amazonスポンサープロダクトの利用で売り上げアップさせるヒントは?
売り上げを上げたいと悩んでいても、広告を出したからと言ってすぐに結果に結びつくわけではありません。
では広告運用のコツとして、どのタイミングで広告を出せばいいのでしょうか。
商品ページを作りこむ
先ほども紹介した通り、広告のランディングページ(LP)は商品ページから自動生成されます。そのため、Amazon広告を運用する前に商品ページを作りこんでおきましょう。
また、評価やレビューがまったくついていない商品の場合、せっかく商品ページに誘導できても買ってくれない可能性が高いです。
したがって、広告運用するタイミングとしては「商品ページを作りこみ、評価・レビューが何件かもらえた」段階がいいでしょう。
検索結果の1ページ目に表示させる
Amazon広告を利用するならば、検索結果内の1ページ目に表示させなければいけません。Amazonに出品している自社の類似商品が多い場合、検索されたとしても複数のページ内に自社商品が埋もれてしまい、商品ページにアクセスしてもらえません。
Googleで検索しているように、知りたい情報を2ページ、3ページまで確認する人はいませんよね。Googleと同じように、Amazonの検索結果も複数ページにまたがっていた場合、多くの人はトップページ(検索結果の1ページ目)の中から商品を選ぶはずです。
そのため、Amazon広告を利用し、検索結果の1ページ目に表示させる必要があります。注意点として、Amazon広告はクリックされてから料金が発生する仕組みなので、広告の入札額を高くすれば1ページ目に表示されるのでは、と考えがちです。
しかし、ただ単に入札額を上げただけでは検索上位に表示されません。
Amazonの検索アルゴリズムは「A10」と呼ばれ、Googleの検索アルゴリズムとは全く違います。Amazonの検索結果内で上位表示させるには、Amazonの検索アルゴリズムを理解した上で対策をします。Amazonの検索アルゴリズムは「納期・販売件数・CVR・レビュー・顧客対応」の評価が影響していると言われており、アルゴリズムは公開されていないため、自分で試行錯誤して検証しなければいけません。
また、設定するキーワードによっては競合が多く、せっかく広告を設定してもクリックされない可能性があります。そのため、クリックされるためのキーワード選定も非常に重要になります。
広告運用を外部に委託する
Amazon広告に限らず、Web広告の運用は複雑になってきています。どういったキーワードで設定すればいいのか、どれくらいの入札額を入れればいいのかなど、広告運用で成果を出していくのは簡単ではありません。せっかく費用をかけて広告を運用するのであれば、最大限の成果を発揮してもらいたいですよね。
そのためには、Amazon広告の運用を外部に任せてしまうのも一つの方法です。外部に任せることによって新たに費用が発生してしまいますが、やみくもに運用するよりはプロに任せることでそれなりの効果を得られるでしょう。
まとめ:Amazon広告は難しくない!初心者はまず「スポンサープロダクト広告」から始めよう!
この記事ではAmazonサイトの検索結果内に広告を表示させるAmazonスポンサー広告について紹介してきました。記事の内容を簡単にまとめると、
● Amazonの検索結果内に表示させる広告は3種類あり、それぞれの購買層をターゲットに使い分けできる
● Amazonの検索アルゴリズム「A10」はGoogleと全く違う
● 広告を運用するなら、「Amazonスポンサープロダクト広告」から始める
● Amazon広告をうまく活用するには商品ページを作りこむこと
● 広告運用に慣れていないのなら、外部に委託するのも有効な手段
ということでしたね。
Amazon内の商品は似たような商品が数多くありますが、今回紹介したような広告をしっかり運用することにより、商品の売り上げを伸ばすことができます。特に中国輸入ビジネスをする人にとっては欠かせない手段の一つと言えそうですね。