在庫回転率の知識を活かして中国輸入ビジネスの売上を伸ばす方法!
今回の記事では、ECモールに出店し中国輸入ビジネスを始める時に必須の知識である、在庫回転率について解説します。
在庫回転率という言葉を知っていても、その活用方法を知らなければ意味がありません。
特に輸入ビジネスのように仕入にある程度の時間を要する場合、在庫を適正に回転させて現金化することが重要です。
在庫は多すぎると不良在庫を抱えるかも知れず、少なすぎると売り逃して機会損失を招く可能性があります。
そのため、どうすれば適正な在庫数を保つことができるのかと、頭を抱えてらっしゃる方も多いかもしれません。
在庫回転率は、このような悩みを解消してくれる指標です。
まだ理解があやふやな方のために、在庫回転率の計算方法やメリット、実際のビジネスへ活かしていく方法を解説しますので、ぜひ最後まで読んで役立ててください。
在庫回転率とは?
在庫回転率とは、一定期間中に商品の在庫がどのくらいの割合で入れ替わっているかを示す指標です。
在庫回転率が高ければ商品の売れ行きが良い、低ければ売れ行きが悪いことを意味します。
在庫回転率を求める方法は、在庫金額ベースと在庫数量ベースの2通りがありますので、まずはそれぞれの計算方法をみていきましょう。
在庫金額ベースの場合
在庫回転率を金額ベースで求める計算式は下記の通りです。
在庫回転率=期間中の売上原価÷期間中の平均在庫金額
売上原価は中国輸入のように製造せずに仕入販売のみ行う形態では、期間中に出荷された在庫の合計金額になります。
売上高とせず売上原価を用いるのは、分母が原価で計算されているので、レベルを合わせて実態に近い数値を算出するためです。
計算結果に基づいて、3回/月、10回/年などのように「回数/期間」という形で表らわされるのが在庫回転率の表示方法として一般的です。
例えば、平均在庫金額が10万円の商品が1年間の売上原価150 万円であった場合の在庫回転率は15回/年となります。
在庫数量ベースの場合
在庫回転率を個数ベースで求める計算式は下記の通りです。
在庫回転率 =期間中の総出庫数 ÷ 期間中の平均在庫数
期間中の総出庫数とは、期間中の出庫数の総合計の数字です。
平均在庫数は同じ期間における在庫数の平均値で、入荷数と出荷数のバランスによって決まり、下記の計算式で求められます。
平均在庫数=(期首在庫数+期末在庫数)÷2
金額と個数のどちらで計算するのがいいのか?
一般的には、在庫数での計算方法のほうが実務上より正確であるといわれています。
在庫金額をもとに在庫回転率を計算する場合、1年間の決算書が必要なため1年ごとの在庫回転率しか出すことができない事情にもよります。
在庫回転率の適正水準とは
在庫回転率の適正水準は取扱い商品や業態によって変わります。
一般的に、在庫回転率が高いということは、在庫を効率的に管理し迅速に商品を販売していることを意味します。
しかし、あまりに高すぎると、需要の急増時に供給が追いつかない可能性があり、逆に、回転率が低すぎると、在庫コストがかかりすぎたり、商品が陳腐化するリスクがあります。
ここでは、在庫回転率の適正水準の一般的な目安を紹介しますので、参考にしてください。
在庫回転率:24回以上/年
24回以上の在庫回転率があれば、優秀な水準です。商品在庫が半月で1回転しているので、効率のいい販売が実現できていると言えます。
在庫回転率:12~23回/年
標準的な在庫回転率です。12回であれば1ヶ月で1回転している計算ですので、それを維持しつつさらに高める方向を目指せばいいでしょう。
在庫回転率:6~11回/年
6~11回であれば少し物足りないレベルであり、在庫管理を見直す余地があります。顧客のニーズや市場動向を分析し直したり、仕入量を調整したりして、在庫回転率の改善を図りましょう。
在庫回転率:5回以下/年
5回以下は販売状況が悪く、改善が必要なレベルです。長期にわたり販売ができていない「不良在庫」を抱えている可能性があります。
売れない商品が劣化したり、在庫保管にかかる費用がかさんだりするリスクがあるため、早めの対応が急務です。
在庫回転率を把握する3つのメリット
在庫回転率を把握することは、中国輸入販売において非常に重要です。
この指標を理解し、適切に管理することで、ビジネスの効率性と収益性を大きく向上させることが可能ですので、これらのメリットをぜひチェックしてください。
メリット1:在庫リスクの低減
在庫回転率の把握により適正在庫の管理ができるようになるため、在庫リスクの低減が図れます。
過剰在庫な状況であれば在庫回転率が低くなるため、状況に応じて在庫数を減らす方針を立てるでしょう。
過剰な在庫を抱え続けることで廃棄処分にいたる事態にいたることもあるため、事前に在庫削減を目指すのに在庫回転率が役に立ちます。
メリット2:商品需要の評価に役立つ
在庫回転率は個々の商品に対して算出できる指標なので、頻繁に分析することで市場の動向や顧客のニーズの変化に迅速に対応することができます。
需要の増減や新しいトレンドをいち早く捉え、適切な仕入に基づく在庫管理を行うことが可能です。
在庫回転率によって商品の需要予測を立てられれば、今後の商品企画に活かしたり機会損失を防ぐことも期待できます。
メリット3:キャッシュフローの改善が図れる
在庫回転率を把握し高く保つ運営をすることで、売上が速やかに現金に変換され、ビジネスのキャッシュフローが改善されます。
キャッシュフローが良好であれば、その資金を再投資に回すことができ、さらなる成長のチャンスを生み出すことができます。
在庫回転率を上げる5つの方法
在庫回転率を把握した結果、商品の売れ行きが良くないことが判明する場合も、ビジネスを続けていく上では起こり得る状況です。というより、そのためにも在庫回転率の認識は大切です。
ここでは、そういった事態に直面したときに、在庫回転率を上げるために取るべき方法を紹介します。
1. 販売価格を下げる
在庫回転率を上げる最速の方法は、販売価格の調整です。
競合が増えたり商品のブームが去るなど、販売が鈍化する理由は様々ですが、商品の継続的な販売が見込めるときは、販売価格を下げることが有効です。
価格を下げることによって、販売台数が増えるのであれば、回転率が上がりキャッシュフローも改善されるでしょう。
それが新しい仕入につながり、好循環を発生させます。
ただし、OEM製品のように値下げによりブランド価値を下げることが懸念される場合は、販促策による拡売を図ることが大切です。
2. 仕入リードタイムを短縮する
商品が期待以上に売れても、仕入から納品までのリードタイムが長ければ、在庫回転率が上がらずに販売が停滞することもあるでしょう。
中国輸入では輸送方法の選択によって、仕入リードタイムとコストが変わりますが、輸送コスト以上の利益が見込めるのであれば、足の速い方法への変更が改善策として適切です。
また、状況によっては、売れていない商品の仕入リードタイムを伸ばすことで、コストのバランスを図ることも有効です。
3. 販路を増やす
販路を増やすことで新たな顧客への販売が広がり、在庫回転率を上げられる可能性があります。
Amazonだけで販売しているのであれば、比較的審査のゆるいauPAYマーケットやYahoo!ショッピングなどのECモールへ販路を広げることが有効な手段となり得ます。
メルカリやヤフオクといった、出店審査の必要がないプラットフォームへの進出もいいでしょう。
新しい販路で異なるユーザー層への販売により、期待以上の成果につながることもあるので、ぜひチャレンジしましょう。
4. リサーチの強化
在庫回転率の悪化には、需要予測の見誤りによることも少なくありません。
市場トレンドや季節要因、社会的イベントなどの再分析を行い、将来の需要の精度をより正確なものにすることで、在庫回転率の上昇へつなげることが可能になるでしょう。
5. 不良在庫の処分
在庫回転率を上げるためには、不良在庫を処分することが効果的です。
なぜなら、回転率を悪化させる大きな要因の一つは不良在庫だからです。
長期にわたって不良在庫が残ってしまうと、売れる商品を仕入れるチャンスが減ることになり、結果的に在庫回転率が悪化してしまいます。
在庫は適正な範囲にとどめて、必要以上の在庫を抱えないようにしましょう。
まとめ
Cサイトの成長に伴い中国輸入販売においても、豊富なアイテムをリーズナブル値段で供給する事業者が多くなりました。
しかし、抱える在庫数や扱うアイテムの種類も膨大となり、在庫管理が非常に難しくなっているのが実情かも知れません。
ムダなコストを防ぎ売れる商品の売上を伸ばすには、最低限ジャンルごとに在庫回転率を把握して、常に適正な在庫数を保つような管理が必要です。
そのためには、在庫回転率の知識と現場での生かし方が重要となります。
売れている商品もあるけど、なんだか収益が伸びないという方は、上手く在庫が回っていない可能性があるので、ぜひ今回の記事を参考にして在庫回転率を適正に保つ努力をしてください。