中国輸入の年末商戦で売れる商品と旧正月(春節)対策を徹底解説!
2022年もあとわずかとなり、これから1年でもっとも商品が売れる年末商戦を迎えます。今年、中国輸入を始めた人にとっては初めての体験になると思いますが、通常月よりも多くの販売が見込め、売上を積み上げる絶好の時期なのです。
しかし、そのあとには中国最大の長期休暇時期の旧正月をひかえていて、仕入対策を間違うと最悪1~2ヵ月ものあいだ在庫切れ状態に陥り販売機会を逃す可能性もあります。
中国輸入に携わる者にとって年末から来年の3月頃までは、売上増大のチャンスの時期と在庫切れのピンチを招く危険性も秘めた難しい期間です。
今回の記事では中国輸入における年末商戦から、中国旧正月対策までの戦い方を徹底解説していきます。
目次
年末商戦は1年の中で最大の売上をつくるチャンスタイム!
年末商戦は中国輸入でも実店舗と同様に12月初旬から年末までの期間の販売を言い、通常月の2~3倍もの売上が見込める1年のうちで最も商品の売れ行きのいい時期です。
9月くらいから徐々に売上が上がりはじめ、12月に一気に販売が爆発するようなイメージで、早くからの項かを期待する場合は8月から準備を進めるといいでしょう。
年末商戦の活況には、クリスマスイベントや年末年始に向けての需要が高まることに加え、ボーナス支給が重なることで人々の購買意欲が高まるという背景があります。
ただし、どんな商品でも売れるわけではないので、仕入れる商品ジャンルや数量には注意が必要です。遅くとも11月下旬には売れ筋ジャンルの商品在庫を、通常の倍くらい備えておくことにより年末商戦で大きな成果を出すことができます。
年末商戦で売れる商品ジャンル3選+おまけ
年末商戦で売れるジャンルはいろいろありますが、特におススメは下記のような季節に関係なく売れる商品をターゲットとすることです。
・パーティーグッズ
・プレゼントグッズ
・アクセサリー
それぞれのジャンルを詳しくみていきましょう。
パーティーグッズ
パーティーグッズはクリスマスに限らず忘年会、新年会といった需要もあり、それ以外でも誕生日会、ひな祭り、歓送迎会、こどもの日、ハロウィンといったように、年間を通しての需要があるジャンルです。
仕入の際の注意事項は、クリスマスツリーやハロウィンのカボチャグッズといったイベントの特色を全面に出した商品よりも、大人数でのパーティーで役だったり人気を呼ぶ商品をメインに選ぶのがいいでしょう。
そうすることにより年末商戦での売りが大きく伸びる上に、通年でも需要のある商品を扱うことによって、在庫をかかえるリスクを避けることができます。
プレゼントグッズ
プレゼントと言えばクリスマス需要に限らず、誕生日などのお祝事や新年のお年玉需要もあります。商品としては、ゲーム関連商品、おもちゃやカジュアル時計など、相手によっていろいろなものが考えられます。
年末商戦を考慮すると、やはりゲーム関係やおもちゃは定番商品で需要もかなり大きくなりますので、ギフトボックスと一緒に出品すればライバルとの差別化もできるでしょう。
注意点としては、電池が入っている場合は航空便が使えず船便となるので、余裕をもった仕入期間が必要になります。また、おもちゃは6歳未満の幼児が口にする可能性のあるものは、食品衛生法によって規制されているので注意が必要です。
詳しくは下記の記事を参照してください。
中国輸入における「禁止商品」と「規制商品」の違いをマスターしよう!
アクセサリー
ネックレスやジュエリー、ピアスなど、特に女性が身につけるアクセサリーは年間を通して需要があります。もちろん、クリスマスなどの特別な時期は、プレゼントとしても良く売れるジャンルとして中国輸入でも人気があります。
アクセサリーは小さくて軽く壊れにくいという、輸入品として扱いやすく、デザインさえよければブランド品でなくても売れるのでおススメのジャンルです。
その他
その他にも年末商戦で売れるジャンルは多くあります。家電商品もボーナス支給と重なって売上が伸びる時期です。例えば年末の大掃除に向け掃除機などは、中国生産品の手頃な値段のものがよく売れます。
ただし、コンセント利用により電源がからむ商品は電気用品安全法の規制を受けるため、事前に家電用品安全法をクリアしている証のPSEマークの取得が必要です。
経済産業省へ届出をして検査を行わなければなりませんが、仕入に手間がかかる分だけライバルが減るメリットがあります。今からでは今年の仕入には間に合いませんが、来年の参考にして下さい。
PSEマークについては下の記事を参考にして下さい。
中国輸入における「禁止商品」と「規制商品」の違いをマスターしよう!
カメラ、パソコン、オーディオ機器などもボーナス商戦によく売れる商品ですが、中国輸入ではブランド品はNGです。しかし、それらの関連商品、例えばカメラケースやカメラバッグなどもよく売れ、しかも中国生産品が非常に多いのです。
このあたりをヒントに、年末商戦に扱う商品を選ぶと売上増量につながるでしょう。
中国の旧正月(春節)に何が起こるのか?
旧正月は「春節」と呼ばれ中華圏における旧暦の正月のことで、中国人にとっては最も大切な伝統的祝日です。太陽暦に基づくため旧正月期間は毎年日にちが違うので、正式日程は中国国務院(中央政府)の発表で確認する必要があります。だいたい1月下旬から2月中旬までの中で、1週間が旧正月期間と覚えておくといいでしょう。
テレビのニュースなどでも見ると思いますが、中国では旧正月の時期を挟んで約2週間から1ヵ月の長期休暇を取る企業が多く、殆どの人が実家へ帰ったり旅行をしたりなどで中国国民の大移動の時期となります。
つまり、この期間は工場や卸、小売店のみならず、商品発送にかかわる物流機関も稼働せず中国が一斉に止まる時期なのです。ECサイトにおいても在庫が不安定となり、発送業務も休止します。中国輸入においては、仕入ができず連絡も全くとれない状態となります。
この旧正月の時期の中国の動きをしっかりと事前に把握し、適切な準備をしておかないと在庫切れでビジネスが立ち行かなくなります。しかも工場、卸、小売店、代行業者などによって、それぞれの休暇期間が異なるのが厄介なところなのです。
「工場生産は終わっているのに、卸が休暇中で商品が市場に出てこない」
「代行業者は営業を始めたのに、工場が稼働していないので注文できない」
「ECサイトで注文はできたけど、物流が動いていないので商品が届くのが遅くなる」
対策をしておかないと、上記のような事態に陥る可能性があります。
旧正月(春節)対策は十分な在庫の確保
中国の旧正月休暇は年末商戦が終わってから、ひと月も経たないうちに始まるので周到な準備が必要です。年末商戦で想定以上に商品が売れた場合、急いで商品を補給しなければなりません。
つまり、旧正月対策は中国側の取引先の休暇スケジュール確認と、2~3月分の売り玉を確保する仕入対策となります。
ここで考慮しなければならないのは、旧正月用の注文が中国の取引先に殺到することで、通常時期に比べて対応の遅れや生産完了までの時間が長くなることです。
毎年のことなので工場は旧正月休暇前に人員増員をおこない、生産ラインを増やすなどの対応を取っていますが、工場によっては人員確保ができなかったなどの事態も発生します。
工場や市場は出稼ぎ労働者が帰省するため特に長い休暇を取る傾向があるので、早めに注文を入れておくことが一番確かな方法です。
旧正月休暇明けも休暇中に溜まっている注文から対応していくので、正常な稼働ができるまでに少し時間がかかることも考慮しておいた方がいいでしょう。
おススメの注文方法は3月までの在庫を見越して、通常の2倍以上の仕入手配することにより在庫切れを回避することです。
発注の時期は前述の通り工場の休暇期間が長くなるのが一般的なので、1~3月分の販売を見越して12月初旬には注文を入れておくと安心です。
2023年の中国の旧正月期間と具体的な対策
2023年の春節は1月22日で、休暇期間は1月21日~27日の7連休となります。
昨年の春節が2月1日、一昨年の春節が2月12日であったことから比べると、例年よりも早いので中国輸入の経験者でもスケジュールの前倒しなどの注意が必要です。
「THE 直行便」の業態別旧正月休暇スケジュール表に基づく春節対策案
弊社「THE 直行便」では、来年の旧正月休暇期間を業態毎に下表の通りまとめておりますので参考にして下さい。各休暇期間は「ほぼ確定ベース」ですので、この情報をもとに早めに動いておいた方がいでしょう。
上表の日程にしたがい、弊社のおススメの春節在庫注文のスケジュールを紹介しますので、是非参考にして下さい。
① 2022年11月30日まで:初回の旧正月商品をご発注
(不良率も含めて、月間平均販売量の2倍以上の発注がおススメです!)
②11月30日~12月6日:初回注文分の在庫確保状況の確認
③12月7日前後:初回発注で不足分の追加発注
④12月21日前後:2回目発注商品の確保状況を確認
以上の4段階で手配できた状況を確認した後、1~2月の2ヵ月間は完全に在庫が確保された商品のみを販売することがおススメです。
ただし、前述したように年末商戦で想定以上の販売があって、在庫が当初見込みより大きく減少している場合は最終調整をして追加手配をかけます。
上表では物流関係が旧正月休暇に入るのは1月17日からで、タオバオの発送は13日から休みとなります。したがって、遅くとも1月10日までには年末在庫を確認して、不足分の商品手配を完了させましょう。それにより旧正月前の発送に間に合わせることで、在庫確保が可能となります。
OEM商品については開発の流れが長くて複雑ですので、年内に商品発送をご希望の場合は、以下の最終発注日前に発注がおススメです。
「THE 直行便」の春節対象商品の保管費用無料サービス
弊社では春節対象の商品保管には、中国の直行便倉庫での保管と日本側の貴社指定倉庫での保管の2つの方法があります。
春節在庫商品の発注計画を更に順調に展開できるように、直行便では春節在庫商品であれば、倉庫の保管費用なしで対応いたします。但し、春節期間中には直行便側も7日ほど休みがありますので、エンドユーザーに事前にお知らせをお願いいたします。
日本側の貴社指定倉庫での保管の場合、直行便春節休み期間でも発送可能で発送スピードの面で有利です。
また、可能であれば最近の新型コロナの感染状況なども考慮したほうが安全です。中国のコロナ対策は都市封鎖ですので、旧正月休暇以外でも、突然、生産から発送までのすべての行程がストップする可能性もあります。
しかし、コロナの影響分まで予測して商品確保をするのは非常に難しいです。発注量も通常月の3倍程度を想定すると、キャッシュフローの面でも心配も出ますので、資金に余裕があれば検討されればいいでしょう。
まとめ
今回の記事では、これから始まる年末商戦と旧正月対策について解説しました。
年末商戦は中国輸入に限らず、あらゆる物販で売上が大きく伸びる時期ですが、年末年始を過ぎた1月下旬ころから販売が鈍化する傾向にあります。
これは年末商戦での大きな消費の反動で、消費者の財布のひもが締まるからですが、中国輸入にはそれに加えて現地の旧正月休暇により仕入が滞る難しい時期でもあります。
中国輸入にとっては、年末から翌年3月までは特別な時期であり、初めて体験される初心者の方にとっては今回の記事は重要な内容ですので、是非参考にして備えていただければ幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!