ECサイトにおける口コミ・レビュー対策とは?重要性から集め方・注意点を詳しく解説!
日本におけるECサイトの市場規模は2022年度において20兆円規模に達しており、今後も拡大が予想されています。
中国輸入においてもECサイトを活用している企業や個人事業主も多く、販売方法のひとつとして自社ECサイトを構築する傾向も高まるでしょう。
そのECサイトではユーザーの多くがカスタマーレビューを参考に商品を選ぶ傾向にあり、ECサイトにおいてもレビュー機能を搭載するところが増えています。
自社でECサイトを構築しても販売が思わしくない場合は、商品ページへ口コミやレビューの活用がされてないか十分でないケースかも知れません。
また、「口コミ・レビュー」の重要性がわかっていても、
「口コミやレビューはどうやって集めたらいいのだろう?」
「ネガティブなコメントを残されたら、販売に悪影響を及ぼすのでは?」
といった疑問や懸念を抱いているECサイト担当者もいらっしゃるかも知れません。
今回の記事ではそういった声に応えるべく、カスタマーレビューの重要性や集め方、注意点などを解説します。
目次
口コミ・レビューはECサイト運営の重要な要素
最初に、口コミやレビューがいかにECサイトの販売に影響を与えているかを見ていくことで、その重要性を確認します。
口コミ・レビューは購入時の意思決定の大きな要因
株式会社情報通信総合研究所がECサイトの利用にあたり、口コミやレビューをどの程度参考にしているか調査した結果、下図のようなデータが得られています。
調査結果から分る通り、20代から40代を中心に7割以上の人達が商品購入時に、口コミ・レビューを「かなり参考にする」「まあ参考にする」という回答をしています。
口コミ・レビューはECサイトで商品を購入する際の重要な判断基準となっているのが明白です。
同調査において、ECサイトの口コミ・レビューを読むにあたり、下記のような事項が重要視されていることが判明しています。
・情報量が多いこと
・最近の情報が含まれていること
・情報の信頼度(一定数の人が実体験に基づき評価しているか)
このあたりは「やらせレビュー」や「ツールを利用した不当な口コミ」などが存在がニュースなどで知らされているので、ユーザーがレビューなどを見るポイントにも慎重さが伺えます。
したがって、口コミ・レビューをECサイトに導入する際は、内容の信憑性を高めるために、投稿者の性別・年齢などを掲載し、情報量も多くすることが大切です。
また、口コミ・レビューを受けた年月日がわかるようにして、情報を新しい順に並べたり古い記録を削除するなどの工夫が効果的でしょう。
SNSによる口コミ・レビューの拡散がトレンド
近年ではSNSによる口コミ・レビューを参考とする人も増え、SNSへのPR投稿サービスを運営する株式会社Chocostoryの購買行動とSNSの関係について調査では、下図のような結果が公表されています。
上図よりわかる通り、SNSにおける投稿レビューが購買行動に大きな影響力があり、Instagramがそのトップとなっていました。
これは、2018年にInstagramから直接商品を購入できるショッピング機能のリリースされたことが大きく影響しており、EC事業者のニーズが急騰したことによります。
特に若者の間では、商品購入においてSNSの口コミ・レビューをある程度信じて行動する傾向が広がっているのです。
Instagram以外でも、YouTubeは動画による商品レビューが有効であり、Twitterはテキストによる口コミ・レビューの拡散力に優れた効果を発揮しているのが見てとれます。
SEO効果が高い
ECサイトの商品ページをGoogle検索で上位表示させることも効果的な販売施策であり、ECサイトでレビュー機能を持たせることがSEO効果にもつながります。
これは最近のGoogle検索において、ユーザーにとって質の高い情報が提供されているかどうかも重視されているからであり、実際のユーザーによる投稿は優良コンテンツとして認められる手段となりえるからです。
口コミやレビューを増やせばそれだけ商品に関連するキーワードも増え、ロングテール戦略としても有効です。また、口コミ・レビューに被リンクを受けることによるSEO効果もあり、上位表示される可能性が大きくなるでしょう。
口コミ・レビューを集める方法
この章では実際に口コミ・レビューを集める方法を紹介しますので、導入する際の参考として下さい。
購入後のサンクスメールで依頼する
自社ECサイトでの販売には、購入者の住所・氏名・メールアドレスなどの個人情報を自由に取ることができ、販売促進に活用できるという大きなメリットがあります。
これを生かして、顧客に商品が届いて使い始めた頃にサンクスメールを送り、「声を聞かせてください」という言葉で口コミやレビューを依頼する方法が有効です。
その際は、商品状態や使い勝手などを尋ねる自然なメール内容とし、クーポンなどを付けることで、レビュー記載率が上がりリピート購入につながることも多くなります。
また、商品の問題点の有無も確認でき、丁寧な対応をすることで購入者をファン化することも可能です。
商品梱包の中にレビュー依頼書を同梱する
商品梱包の際にも、購入に対する感謝の言葉を入れたレビュー依頼書を入れておくと、商品が届いて最も記載されやすいタイミングでレビューを促すことが可能です。
その際に店舗案内やクーポン券などちょっとしたプレゼントを添えると、口コミやレビューを記載してもらえる確率が高まるでしょう。
レビュー・キャンペーンを開催する
短期間で多くの口コミやレビューを集めたいときは、期間限定の特典を用意して促す方法があります。
キャンペーンの際は、期間限定とともに人数まで絞ると、より効果的に口コミ・レビューを集めることが可能です。
ただし、特典を盛りすぎると単なる特典目当てのいい加減な口コミやレビューが集まってしまうことがあるので、特典内容や条件に注意や工夫が必要となります。
SNSを活用する
前章で見ましたように、最近ではSNSの口コミやレビューを参考にして、商品購入に至るケースが増えていますので、これを活用しない手はありません。
ECサイトで口コミ・レビューを書き込むことは、ユーザーにとっては時間と手間がかかりますが、SNSを活用すればユーザーにとっても日常的に利用していることが多く、投稿するハードルも下がります。
自社のSNSアカウントから、商品に対しての発信を行うことで認知を獲得することが可能であり、注目を集めるキャンペーン企画などでファン化をして、フォロワーとなってくれれば、短期間で多くの口コミ・レビューを集めることも可能です。
また、SNS内で影響力をもつ「インフルエンサー」などに、自社の商品やサービスを紹介・拡散されれば、その口コミ効果は絶大なものになります。
口コミ・レビューを集めるときの注意点
ECサイト販売で口コミやレビューは非常に効果的ですが、使い方を間違えると会社の存続にかかわる問題に発展することもあるので注意が必要です。
自作自演の口コミ・レビューは違法行為にあたるので厳禁
自作自演の口コミ・レビュー、いわゆるステルスマーケティングですが、これがバレてしまうとSNSなどで炎上することにもなりかねず、売上に多大な損失をこうむることもあります。
ネット上では様々な人達が情報を見ているため、バレないと思っていても何がきっかけとなって不正が明るみにでるかはわかりません。
また自作自演の口コミ・レビューは違法行為であり、最悪の場合は商品掲示法違反として処罰を受けることもあるので、当然のことですが絶対に避けましょう。
低評価レビューへの対応
ECサイトに低評価レビューを残された場合でも、それが誹謗中傷の種類でない限り掲載する必要があります。
不当な誹謗中傷であった場合はプラットフォームや投稿者に削除を要請することができ、悪質な場合は弁護士を通して法的手段に出ることも可能です。
しかし、それ以外のケースでは、ECサイト上に登録された高評価レビューだけを残し、低評価レビューを削除するなどの行為は、事実を捻じ曲げたとして違法行為に当たります。
したがって、サイト上に投稿された口コミ・レビューは、不適切な内容でない限り削除や非常時にすることなく、そのまま掲載しなければなりません。
炎上などの事態に備えておく
悪意がない場合でも、口コミ・レビュー内容によって批判が拡散され、炎上に至ることがないとは言いきれません。そういった万一のケースに備えて事前に対策を考えておく必要があります。
具体的には、担当者をあらかじめ設置しておき、万一のケースの際に沈着に対処できる体制を整えておくのがいいでしょう。
SNS利用の際は、日々の発信内容において下記のようなポイントに注意が必要です。
・事実でない情報を発信しない
・無責任な情報を発信しない
・政治やマイノリティの内容には触れない
まとめ
今回の記事ではECサイトにおける口コミ・レビューの重要性から、具体的な施策や注意点までを解説しました。
ネット社会が進む中でECサイトに購入者からの口コミ・レビューを掲載することは、売上拡大にとっても重要要素であることがわかって頂けたと思います。上手く活用すれば、自社ECサイトの売り上げを大幅に伸ばすことができるでしょう。
ただし、掲載方法に関する法律やマナーを守らなければ、商品掲示法や優良誤認に違反することになり、大きな損失につながる場合もありますので、必ず法律やルールを守った上で利用するようにしましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!