ECサイトの売上を伸ばすSNS活用法4選!
「広告をうっても、ほとんど見られていない」
「届けたい情報が、ターゲット層に届かない」
「ネット広告を通じてのECサイトへの訪問が減ってきている」
近年、こういった悩みをかかえるECサイトの運営者が増えています。
しかし、これらはECサイト運営者だけでなく、メディア広告を通じて商品を販売している企業でも共通した現象なのです。
メディアやネット広告がきかなくなってきている。
その原因は、SNSの急激な拡大にあります。
今回の記事では、消費者の商品購入活動の変化とその対応策について見ていきます。
ECサイトのこれからの集客はSNS活用が重要
現代のECサイト集客や売上拡大には、SNS活用が欠かせなくなっています。
2022年8月の経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」によりますと、2021年の物販系分野のBtoC-ECの市場規模は下図表の通り13兆2,865億円となり、前年比8.61%の伸長率を示しています。
下図表でわかる通り、市場規模はこの8年間で倍以上に拡大しているのです。
この現象はBtoC-EC市場のみならずBtoB-EC市場でも下図表の通り顕著で、2021年の市場規模は前年比11.3%増と大きな伸長を見せています。
EC市場の規模拡大が右肩上がりに伸びていると同時に、SNSの利用者も増え続けています。総務省が2022年5月に公表した通信利用動向調査によると、下図表左側の通り2021年のSNS利用者は、ほぼすべての年代で前年に対して増加しているのです。
注目すべきポイントは、上図表の右側のSNSの利用目的です。
「知人とのコミュニケーション」が9割近くを占め、その次に「知りたいことについての情報を知るため」が6割以上となっています。ここで浮かんでくるのが、「クチコミ」というキーワードです。
「クチコミ」はSNSが世の中に登場する前から、消費者の購買活動における意思決定の重要な要因のひとつでした。
このクチコミ情報がインターネット環境の浸透とSNSの普及によって、誰もが簡単に参照できるようになり商品購入に大きな影響を与えるようになったのです。
もはやテレビCMやネット広告は購入のきっかけに過ぎず、消費者は自らネット検索で情報収集を行ったうえで商品を購入するパターンが一般化しているのです。
この現象はGoogleによる大規模調査で判明し、ZMOT(ジーモット)という言葉で表現されています。ZMOTはZero Moment of Truthの略語で、「ゼロ個目の真実の瞬間」という意味です。
従来の消費活動は、First Moment of Truthの略語でFMOT(エルモット)と呼ばれ、テレビCMやチラシなどの刺激から店頭へ赴いて商品の真実を知り購入する形を言いました。
それがインターネットの普及によって、刺激の次の段階で情報収集という「真実を知るステップ」が加わったのです。この情報収集の段階をゼロと呼び、そこで大きな影響力を持つようになったのがSNSなのです。
ECサイト運営にSNSを活用するメリット
SNSが商品購入活動において強い影響力を持つことがわかったところで、ECサイト運営においてSNSを活用することのメリットを見ていきましょう。
広告費をかけずに集客が可能
従来型のTV広告やメディア広告は、短期間でも高額な費用が必要です。
しかし、Twitter、Facebook、Youtuber、Instagramなどの人気SNSでは、公式アカウントを運用することによって自社や商品に関する情報を何度でも無料で発信することが可能です。
後述するSNS広告を利用する場合は費用がかかりますが、従来の広告よりも低予算で行えます。
顧客ロイヤルティの向上によりリピート購入が期待できる
SNSには顧客とダイレクトにやり取りができる利点があり、丁寧なコミュニケーションによって信頼関係を築くことが可能です。
顧客との接点を増やして継続的な情報発信をすることでファン化を促進し、商品購入やリピート客の獲得が期待できます。
自社商品のブランディング化を簡単に図れる
自社商品のブランドイメージやメッセージをSNSを利用して発信することにより、簡単にブランディング化を図ることが可能になります。
特にYoutubeやInstagramでは、情報量の多い動画や画像を使った配信を見込み客へ届けられるので、ブランディング化に適したSNSと言えます。
SNSで発生するUGCで情報拡散が狙える
UGCはUser Generated Contentsの略で、ユーザーの投稿コメントや画像・動画を意味します。平たく言えば、ユーザーが自然に発生させるクチコミのことです。
自社情報や商品がUGCとなり、SNSにある「シェア」「拡散」「コミュニケーション」といった機能で広がることで、大きな労力をかない拡販が狙えます。
ECサイト集客へのSNS活用方4選
ECサイトへ顧客を誘導するSNS活用法には、以下のような方法があります。
SNSアカウントの運用
SNSアカウント運用では、公式アカウントはもちろんのこと、可能であればスタッフアカウントを別に持って公式アカウントと連動させると効果的な集客が可能になります。
SNS利用者は人とのつながりを求めているケースが多いので、企業アカウントよりもスタッフの個人アカウントの方が親しみを持たれやすいためです。
公式アカウントでの運用は下記の通りです。
・自社情報や新製品、キャンペーン情報の投稿
・ユーザーとコメントを通しての直接的なコミュニケーション
・ECサイトへの誘導
そして、スタッフアカウントでは個人名で運用し、7割をプライベートな内容の投稿とし、残り3割をビジネス投稿として露骨な宣伝を避けることが重要です。
SNS広告の配信
SNS広告はSNS上に配信できる広告で、利用するSNSによって下記のような特徴があります。
Twitter広告:ユーザーによる拡散効果が期待できる
Facebook広告:ユーザー年齢層が比較的高く、BtoBやビジネス商材向けに適している
Instagram広告:画像広告がメインで、女性向け商材利用が多い
SNS広告は一般投稿に似たような感じで配信されるケースが多く、宣伝色が薄まる傾向があるので自然なかたちでブランディング効果を得られるメリットがあります。
費用はSNSや広告手段によっては、クリック課金、インプレッション課金、アプリインストール課金、動画再生課金など様々な種類があり、利用の仕方によって変わります。
しかし、年齢層などのターゲットを絞ることが可能なので、コストパフォーマンスも格別によく、やり方次第では低予算での運用が可能です。
SNSキャンペーン
SNSキャンペーンは、期間限定で応募者にプレゼントや特典を与えることで、ブランドや商品の認知を拡大するマーケティング方法です。自社アカウントで告知が行えるので、少額の費用で実施できます。
SNSの特徴を生かしたユーザー参加型のキャンペーンが人気で、テーマに沿った投稿に対する「いいね!」などのユーザー反応が応募条件になることが多いです。
得られる効果は、ファンの獲得、ブランド認知の拡大、販売促進、UGCの収集など多岐にわたり、長期的に影響を及ぼすこともあります。
キャンペーンを実施する際、SNSの種類によって下記のような特徴があるので、目的に沿ったSNSを選んで実施することが大切です。
Twitter: 拡散力が大きく、認知の拡大やファンの増加策として適している
Facebook: クローズド性が強く外部拡散は見込めないが、濃いクチコミ効果が期待できる
Instagram: 金銭・金券プレゼンが禁止されているので企画内容に注意が必要
TikTok: 動画をそのままTwitterやInstagramへ投稿可能なので拡散性に優れている
SNSインフルエンサーの利用
人気ユーチューバーやインスタグラマーなど、SNS上で大きな影響力を持つ「インフルエンサー」に自社や商品の情報を紹介してもらう方法です。
インフルエンサーとのコラボ商品やイベント企画など戦略も立てやすく、特にブランド力がまだ弱い時点で活用すると効果的です。
費用の面では成果報酬型や定額型といった方法があり、一般的にはインフルエンサーのフォロワー1人当たりの単価によって決まることが多いようです。
ECサイト集客におけるSNS活用の注意事項
最後に、ECサイトへSNSを利用して集客する場合の注意点を見ておきましょう。
見込み客に合わせたSNSで集客を行う
SNSは利用者のユーザー層にそれぞれの特徴があります。
2022年8月の総務省の「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によりますと、年代別に見た各SNSにおけるユーザー層の割合は下表の通りとなっています。
引用:総務省・情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(2022年8月)
LineやYoutubeなどは、ほぼ全世代にわたって利用者が多いのが見てとれますが、Twitter、Facebook、Instagram、TikTokには下記のようなそれぞれの特徴が現れています。
Twitter : 10~30代の利用者が多く、男女比はほぼ同じ
Facebook: 30~50代の利用者が多く、男女比はほぼ同じ
Instagram:10~30代の利用者が多く、女性の比率が少し高い
TikTok: 10~20代の利用者が多く、女性の比率がやや高い
SNSのユーザー数も大切ですが、年齢層や男女比といった要素やSNSの特徴も考慮が必要です。これらの要素を総合的に判断して、自社のECサイトへ集客したい見込み客の母数が多いSNSを選択することが大切です。
SNS専任の担当者を置く
SNSを利用した集客では、ユーザーとの繋がりを大切にして日々のコミュニケーションの積み上げながら信頼を築くことが大切です。
前述のSNSアカウント運用のポイントでも述べたように、スタッフアカウントを持つことで、大きな成果につながる可能性が高くなるので、是非専任者の配置を検討しましょう。
炎上対策を事前に検討しておく
時々ニュースになることもありますが、SNSで不注意や意図しない発言が誤解され思わぬ炎上につながることがあります。
炎上はSNSを運用する際のリテラシーの低さや配慮不足によることが多いので、前述のように専任者をおき十分な教育を行ったうえで運用することが重要です。
まとめ
今回は、ECサイトで販売を拡大するためのSNS活用法について解説しました。
当記事で見て来たように、現代ではSNSの影響力が増しており今後もこの傾向は続くでしょう。このことは個人事業主や中小企業でも、SNSを利用すれば大手に負けない集客ができることを意味しています。
時代の流れは確実に変わってきていますので、SNSの活用によって販売を伸ばして行きましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!