ECサイトのメディア化!商品紹介だけではないECサイトの新しい可能性とは?
物販においてECサイトを運営している人にとって、一番の課題は商品を売ることです。
しかし、近年、ECサイトにおける競争の激化や消費者のニーズの多様化から、商品の品質が良く価格が適正であっても、必ず売れるとは限らなくなっています。
消費者は商品やサービスに関する情報を簡単に入手できるようになり、購入時の比較検討が容易になったため、ECサイトは差別化や顧客ロイヤルティの獲得が難しくなっているのです。
そういった背景から、顧客に商品を知ってもらい多くの人にアプローチするために、ECサイトのメディア化が注目されています。
今回の記事では、ECサイトをメディア化について解説します。
目次
ECサイトのメディア化とは?
ECサイトのメディア化とは、ECサイトを単なる販売サイトではなく、多様なコンテンツを提供して情報発信するメディアとして位置づけることです。
つまり、商品を紹介するだけでなく、「商品の使い方」や「レビュー」、「トレンド情報」、「お得な情報」、「コラム」などの情報を発信することで、ユーザーの関心を引き、商品を売り上げることを目的としています。
従来のECサイトは商品の購入が主な目的でしたが、メディア化によって情報発信やエンターテインメント、コミュニケーションの場としても機能するように進化しています。
そして、それらのコンテンツは、ECサイトの価値を高め、ユーザーの満足度を向上させることに貢献しているのです。
ECサイトのメディア化に必要なこと
ECサイトのメディア化には、サイト構築以外に以下の3つが主に必要な要素となります。
コンテンツの充実
ECサイトをメディア化するためには、商品に関する情報や、業界の最新情報など、顧客が興味を持つコンテンツの企画が必要です。
サイト内の情報はユーザーにとって有益で魅力的な必要があるので、記事や商品レビュー、画像や動画など、バラエティ豊かなコンテンツを提供しましょう。
そして、コンテンツの鮮度を保ちユーザーの関心を維持するために、定期的に新しいコンテンツを追加することが必要です。また、古くなった情報は更新することで、信頼性を高めるられます。
さらに、SNSと連携しコンテンツを広めることで、新規ユーザーの獲得につながるので、ユーザーがコンテンツをシェアしやすいようにボタンを設置することも忘れてはなりません。
ターゲットの明確化
ECサイトのメディア化には、商品のターゲットを明確にすることが重要です。
自社の商品がどのような顧客層にアピールするかを特定し、ターゲットとなる顧客層のニーズや課題をリサーチします。
そしてターゲット層に適したコンテンツを作成し、顧客ニーズや関心に応じた内容を提供することで、より関心を引ことで売り上げにつながります。
コンテンツの最適化
コンテンツの最適化とは、サイトのデザインや使いやすさのこと言い、ユーザーがコンテンツにアクセスしやすくなるような工夫が必要となります。
例えば、スマートフォンやタブレット、PCのどの端末からのアクセスでも、快適に閲覧ができるように、レスポンシブデザインを採用してサイト構築します。また、ユーザーにストレスを感じさせない表示スピードで、サイト内で閲覧できることも必要です。
このようにコンテンツを最適化することで、ユーザーに情報をストレスなくスムーズに提供でき、商品の売り上げにつながります。
ECサイトのメディア化のメリット
ECサイトをメディア化することによって、企業は以下のような様々なメリットがあり、競合との差別化が期待できます。
ブランド認知度の向上
豊富なコンテンツを通じて、顧客に対して自社のブランドや商品の価値を伝えることが可能です。これにより、ブランドの認知度や信頼性が向上し、顧客のロイヤルティが高まります。
顧客獲得とリピート率向上
高品質なコンテンツを提供することで、新規顧客の獲得が容易になります。また、役立つ情報やエンゲージメントの高いコンテンツを提供することで、顧客がサイトにリピート訪問しやすくなり、リピート率の向上が可能です。
SEO効果の向上
質の高いコンテンツを定期的に更新することで、検索エンジンの評価が上がり、検索結果の上位に表示される可能性が高まります。これにより、自然な形での新規ユーザー獲得が期待できます。
コンバージョン率の向上
ターゲット顧客のニーズに合わせたコンテンツを提供することで、購買意欲を喚起しやすくなります。これにより、コンバージョン率が向上し、売上げが増加する可能性があります。
SNSでの露出拡大
魅力的なコンテンツは、ユーザーによってSNSでシェアされやすくなります。これにより、さらなる顧客獲得やブランドの露出拡大が期待できます。
CPA(顧客獲得単価)の低減
メディア化により、ユーザーとの関係性が深まり、リピート率が向上し、顧客獲得にかかるコスト削減が可能です。
ECサイトのメディア化のデメリット
ECサイトのメディア化には前述のようにメリットが多いですが、ECサイト運営以外での業務も増えるため、デメリットも認識した上でのバランスの取れた取り組みが大切です。
コンテンツ作成のリソースやコストと管理
コンテンツの作成や運用には、人的リソースや時間、費用がかかります。質の高いコンテンツを継続的に提供するためには、それだけ十分なリソースが必要となります。
また、多くのコンテンツを作成・更新することで、管理の負担が増えます。コンテンツ管理システム(CMS)の導入や、適切な管理方法を確立することが求められます。
成果の見込み期間と不確実性
コンテンツマーケティングやメディア化による成果は、短期間で現れるものではありません。長期的な視点で戦略を立て、継続的に取り組むことが求められます。また、人気や効果は、必ずしも予測できないことがあり、成功する情報配信のためには試行錯誤が必要です。
コンテンツ品質の維持
質の高いコンテンツを継続的に提供することは、容易ではありません。コンテンツ制作スキルの向上のための社内研修や、外部の専門家との連携などが必要となることがあります。
ECサイトのメディア化の方法
ECサイトをメディア化するための一般的な方法は、下記の通りです。
ブログの開設
ECサイトにブログを開設することで、商品に関する情報や、業界の最新情報を発信することが可能です。それにより、顧客にとって価値ある情報を提供でき、商品の売り上げにつながります。
SNSの活用
SNSを活用することで、商品に関する情報を発信が可能です。
具体的には、ECサイトとSNSを連動させ、SNSで新製品情報の発信やキャンペーンなどを実施し、共感を得られたユーザーによる拡散を図ります。
シェアされるような魅力的な内容の投稿により、多くの人に自社商品の魅力を知ってもらうことで、大きな効果が期待できます。
コンテンツ動画の配信
動画を配信することで、商品に関する情報を詳しく提供することが可能です。
テキストや画像でしか伝えられなかった商品情報を、動画を使ってわかりやすく説明したり、実際に商品を使っているコンテンツを作成すれば、商品のイメージがさらに具体的になります。
ユーザーは深く理解できていて使いやすそうなものを安心して選ぶ傾向があるため、動画コンテンツの作成によって商品理解が深まれば売上のアップにつなげられます。
ECサイトのメディア化の事例
ECサイトのメディア化についての解説は以上ですが、最後に皆さんがよくご存じのECサイトにおけるメディア化の具体的な事例を紹介します。
楽天市場
楽天市場は、ECサイトをメディア化することで、商品の売り上げを伸ばしていますので、以下にその事例をいくつか紹介しましょう。
ライフマガジン「楽天ROOM」
楽天市場は、自社のコンテンツマガジン「楽天ROOM」により、ファッションやインテリア、グルメなど、幅広いジャンルの情報を提供しています。
インフルエンサーとの連携
楽天市場は、人気インフルエンサーやタレントと連携し、商品紹介やコンテンツ制作しています。これにより、商品やサービスの認知度を高め、新規顧客の獲得が期待できます。
SNSの活用
楽天市場は、TwitterやInstagramなどで商品情報やキャンペーン情報を発信し、フォロワーとのコミュニケーションを図っています。
Alibaba(アリババ)
中国輸入に携わる者であれば誰でも知っているAlibabaにおいても、メディア化は下記のように盛んに行われていますので、参考にして下さい。
ライブストリーミング
自社プラットフォームの「淘宝直播」を使って、ライブストリーミングによる商品紹介や販売しています。インフルエンサーやセレブリティとの連携で、商品の魅力を伝えるとともに、顧客とのコミュニケーションを図ります。
SNSの活用
WeChatやWeiboなどの中国国内のSNSで積極的に情報発信を行い、ブランドの認知度を高め、顧客とのコミュニケーションを強化しています。
AIとVR技術の活用
AIを使った商品検索やVRを活用したバーチャルショッピング体験など、テクノロジーを駆使した取り組みが、顧客のエンゲージメントを向上させています。
まとめ
ECサイトのメディア化は、もはや商品を売るために必要な情報発信の手段となって、各企業での取り組みが広がっているのが現状です。
コンテンツの充実、ターゲットの明確化、コンテンツの最適化などが必要であり、費用もかかりますが、商品の知名度向上、顧客の獲得、顧客のロイヤルティ向上が期待できます。
ECサイトにおける競合との差別化のためには、今後、メディア化は必須となってくるのは明らかですので、今回の記事を参考に取り組まれていくことをおすすめします。