アウトドアウェアメーカーの選び方及びおすすめ工場

アウトドアウェアは、登山やキャンプ、スポーツなどのアクティビティで欠かせないアイテムです。
機能性やデザインの向上により、市場は年々拡大しています。
しかし、多くのメーカーが存在する中で、どのメーカーを選ぶべきか迷う方も多いでしょう。
今回の記事では、アウトドアウェアメーカーの市場動向や選び方、おすすめのメーカーについて詳しく解説します。
さらに、OEM生産によるオリジナルアウトドアウェアのメリットについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次
アウトドアウェアメーカーとは?特徴と市場動向

ポイント
アウトドアウェアメーカーとは、登山やキャンプなどのアクティビティに適したウェアを製造する企業のことです。
アウトドアに関心のある方はもちろんのこと、関心がなくてもいくつかのメーカー名が浮かぶ人は多いかもしれません。
まずは、それほど我々の生活に溶け込んでいるアウトドアウェア市場の動向や、主要ブランドの特徴について見ていきましょう。
アウトドアウェア市場の成長とトレンド
アウトドアウェア市場は、近年の健康志向の高まりやアウトドアブームの影響を受け、急速に成長しています。
矢野経済研究所の2025年の調査によると、アウトドアウェア市場の規模は、ここ数年、下表の通り毎年およそ10%増の推移を示しています。
(上段:億円、下段:前年比)
項目 | 2022年 | 2023年 | 2024年(見込) | 2025年(予測) |
---|---|---|---|---|
アウトドアウェア | 1,540 - | 1,700 110.4% | 1,880 110.6% | 2,050 109.0% |
スポーツアパレル 全体 | 5,881 - | 6,089 103.5% | 6,256 102.7% | 6,471 103.7% |
出典:矢野経済研究所・スポーツアパレル市場に関する調査(2025年)
トレーニングウェアやゴルフウェアなどを含めたスポーツアパレル全体の成長が、毎年約3%程度にとどまっているのに比べると、販売が好調なのが見てとれますね。
その背景には、ザ・ノース・フェイス(TNF)やパタゴニアなど、有力ブランドのウエア需要が好調なことが挙げられます。
また、登山やトレイルランニング、キャンプ需要の増加も、市場拡大を後押ししていると言えるでしょう。
国内外の主要アウトドアブランドの特徴
ポイント
近年、国内外の主要メーカーは、より高機能な製品開発に力を入れています。
最新のトレンドとしては、軽量でありながら耐久性に優れたウェアや、環境負荷を考慮したサステナブル素材の活用が進んでいます。
例えば、リサイクルポリエステルやオーガニックコットンを使用したエコフレンドリーなアイテムが登場して、多くの消費者の関心を集めています。
また、防水性や透湿性の向上を目的とした新素材の開発も進んでおり、快適な着心地を実現するための技術革新が続いているのです。
アウトドアウェアは従来のアクティブシーンにとどまらず、都市生活のカジュアルウェアとしても取り入れられる傾向が強まっています。
特にストリートファッションと融合したデザイン性の高いアウトドアウェアが人気を博しており、多くの人気ブランドがタウンユース向けのコレクションを展開しています。
アウトドア用品市場のトレンドやおすすめメーカーについては、下記の記事で解説していますので、興味のある方はご参照ください。
サステナビリティと最新の素材技術
ポイント
アウトドアウェア業界では、環境保護の観点から、サステナビリティへの取り組みが加速しています。
消費者の意識も高まり、環境に優しい製品への需要が増加しているため、各メーカーはリサイクル素材やオーガニックコットンを採用する動きが活発化しているのです。
この動きに伴い、単に環境に優しい素材を使用するだけでなく、製造工程におけるエネルギー消費の削減や、水の使用量を抑える技術も導入されています。
例えば、一部のメーカーでは、環境負荷を軽減するために染色プロセスを短縮し、従来の製造方法よりも大幅に水を節約する手法を採用しています。
また、アウトドアウェアには高い耐久性が求められるため、最新の素材技術の開発も進んでいます。
代表的なものとして、ゴアテックスやeVentといった防水透湿素材があり、これらは過酷な環境下でも快適に過ごせる機能を備えています。
さらに、ナノテクノロジーを活用した撥水加工や、軽量でありながら強度の高いリップストップナイロンなどの新素材も注目を集めています。
高品質なアウトドアウェアメーカーを選ぶポイント

高品質なアウトドアウェアを選ぶには、耐久性や機能性に優れたメーカーを見極めることが重要です。
そこでここでは、信頼できるアウトドアウェアメーカーを選ぶ際に考慮すべきポイントを詳しく解説します。
技術力とイノベーション (技術、設備)
アウトドアウェアの品質を左右する重要な要素の一つが、メーカーの技術力と設備の充実度です。
高度な縫製技術や最新の加工技術を持つメーカーは、高機能なウェアを製造することができます。
特に、防水性や透湿性を確保するためのシームテープ加工や超音波溶着技術は、高品質なアウトドアウェアに欠かせません。
用語解説
シームテープ加工:縫い目からの水の侵入を防ぎ、防水性能を高める技術
超音波溶着:縫い目をなくし、生地の密着度を高めることで強度を向上させる技術
また、最新の設備を備えたメーカーでは、CADシステムを活用した精密なデザイン設計が可能です。
この人体工学に基づいた立体裁断により、動きやすさやフィット感を備えた快適なウェアの実現につながります。
さらに、レーザーカット技術を導入することで、生地の切り口を均一にし、耐久性を高めることができます。
規模と供給能力、納期
アウトドアウェアメーカーを選ぶ際には、下表の通りその規模や供給能力、納期対応の柔軟性も重要なポイントとなります。
項目 | チェックポイント |
---|---|
規模 | 大規模メーカーほど生産ラインが整備されており、大量生産が可能で安定した供給が期待できる |
納期対応 | メーカーの過去の納期実績をチェックし、緊急時の対応策が整っているかを確認 |
供給能力 | 生産拠点の数や設備の充実度を確認し、大手ブランドと取引実績がある信頼性の高いメーカーを選ぶ |
また、新規ブランド立ち上げ時は、市場の反応を見るため、小ロット生産に対応できるメーカーを選ぶことが望ましいです。
このように、規模・供給能力・納期はメーカー選定の際に欠かせない要素であり、事前のリサーチが成功の鍵を握ります。
メーカーの信頼性と実績
アウトドアウェアメーカーを選ぶ際には、メーカーとしての信頼性と実績を見ることが重要であり、ポイントは下表の通りです。
項目 | チェックポイント |
---|---|
製造実績 | 過去の製造実績をチェックし、著名なアウトドアブランドとの提携があるか確認 |
顧客レビュー・口コミ | 実際に取引を行った企業の評価を参考にし、品質や納期遵守の実績を確認 |
品質管理体制 | 実際に取引を行った企業の評価を参考にし、品質や納期遵守の実績を確認 |
アフターサービス | 製品の修理や保証対応が充実しているかを確認し、長期的な信頼関係を築けるメーカーを選ぶ |
このように、メーカーの信頼性と実績を見極めることで、長期的なビジネス成功につながるパートナーを選ぶことができます。
過去の製造実績や、長年の経験を持つメーカーは信頼性が高いです。
顧客レビューや取引先の実績を確認し、信頼できるメーカーを選びましょう。
カスタマイズ対応の柔軟性
アウトドアウェアは、機能性やデザインにおいて多様なニーズが求められるため、メーカーのカスタマイズ対応力が非常に重要です。
特にOEMやODM生産を行う場合、自社ブランドのコンセプトに合わせた仕様変更が可能かどうかの確認がメーカー選定に欠かせません。
以下の表に、カスタマイズ対応の重要なポイントをまとめましたので、参考にしてください。
項目 | チェックポイント |
---|---|
生地の選定 | 防水・透湿性や耐久性に優れた生地の選択が可能か |
特殊加工の有無 | 撥水加工や防風加工など、独自の機能を追加できるか |
デザインの自由度 | メーカーのデザインチームが要望に応じたカスタマイズ対応ができるか |
サンプル作成のスピード | 試作品の作成期間が短く、修正にも柔軟に対応できるか |
小ロット生産対応 | 少量から生産できるか |
このように、メーカーのカスタマイズ対応力を見極めることで、自社ブランドに最適なアウトドアウェアを製造できるメーカーを選ぶことができます。
特に小ロット生産が可能なメーカーは、新規ブランドの立ち上げ時や、試験販売する際に向いています。
OEMメーカーの選定については、以下の記事で詳しく解説していますので、ご参照ください。
サポート体制とアフターサービス
アウトドアウェアは、過酷な環境で使用されるため、長期間の品質維持が求められます。
そのため、メーカーのサポート体制やアフターサービスの充実度は、選定時の重要なポイントとなります。
以下の表に、サポート体制とアフターサービスにおける重要なポイントをまとめましたので、参考にしてください。
項目 | チェックポイント |
---|---|
保証制度の有無 | 品質保証の期間や、不良品・初期不具合に対する修理・交換対応の有無 |
修理対応の柔軟性 | 長期間使用できるよう、ファスナーや縫製部分などの補修サービスがあるか |
カスタマーサポートの対応 | メールや電話での問い合わせ対応時間、返信の速さ、対応の質 |
正規パーツの使用 | 修理センターの有無や、正規パーツを使用した修理対応が可能か |
このように、サポート体制やアフターサービスが充実しているメーカーを選ぶことで、長期間にわたって安心して商品を使用できるだけでなく、ブランドの信頼性向上にもつながります。
特にアウトドアウェアは過酷な環境で使用されるため、アフターサービスが充実しているメーカーを選ぶと安心です。
価格とコストパフォーマンス
アウトドアウェアメーカーを選ぶ際には、価格と品質のバランスを見極めることが重要です。
高品質な製品であっても、コストが合わなければ事業として成立しません。
そのため、コストパフォーマンスを考慮したメーカー選定が求められます。
価格と品質のバランスを見極めるポイントは、下表の通りですので、参考にしてください。
項目 | チェックポイント |
---|---|
品質と価格 | 同じ機能・品質の製品を提供するメーカーを比較し、価格差の理由を明確化 |
素材と技術 | 高品質な防水透湿素材や最新の縫製技術を採用しているかを確認し、価格とのバランスを考慮 |
ロット数と価格 | 大量生産はコストを抑えやすいが、小ロット生産に対応しているかも確認 |
追加費用 | デザインカスタマイズ費、試作品作成費、納品時の送料など、契約前に総コストを見積もる |
このように、価格とコストパフォーマンスを慎重に評価し、自社のビジネスモデルに合ったメーカーを選定することで、利益を確保しながら高品質な製品を提供できます。
高品質な製品であっても、コストが合わなければビジネスとして成り立ちません。
価格と品質のバランスを考え、コストパフォーマンスの良いメーカーを選びましょう。
国内・海外のおすすめアウトドアウェアメーカー

本章では、日本および海外のおすすめアウトドアウェアメーカーを紹介し、それぞれの特徴について詳しく解説します。
日本のアウトドアウェアメーカー
日本には、モンベル、ファイントラック、グリベルなどの高品質なアウトドアウェアを製造するメーカーがあります。
これらのメーカーは、日本の気候や環境に適した製品作りを行っており、多くのアウトドア愛好者に支持されています。
それぞれの特徴を見てみましょう。
モンベル

モンベルは、コストパフォーマンスに優れた高機能アウトドアウェアを提供するブランドです。
独自の「スーパーハイドロブリーズ」などの防水透湿素材を開発し、初心者から上級者まで幅広い層に対応したアイテムを展開しており、日本の登山やキャンプ文化に根差した実用性の高い製品が特徴です。
ファイントラック

日本発のテクニカルブランドで、特にレイヤリングシステムに優れたウェアを開発しています。
独自の「ドライレイヤー」技術を採用し、汗冷えを防ぎつつ快適性を確保しており、プロの登山家やアスリート向けの高機能ウェアが充実しています。
ザ・ノース・フェイス

世界的に有名なアウトドアブランドの日本法人で、日本市場向けのモデルも展開しています。
耐久性・防水性に優れたウェアに加え、デザイン性も高く、アウトドアシーンだけでなくタウンユースとしても人気が高いのが特徴です。
特にゴアテックスを活用したジャケットや、高機能なインサレーションウェアが評価されています。
海外のアウトドアメーカー一覧
海外では、パタゴニア、アークテリクス、マムートなどが有名です。
これらのブランドは、耐久性や機能性に優れた製品を提供しており、プロの登山家や冒険家からも信頼されています。
パタゴニア

環境保護活動を積極的に推進するブランドで、サステナブルな製品開発に力を入れています。
リサイクルポリエステルやオーガニックコットンを使用したウェアが特徴で、フェアトレード認証の取得にも積極的です。
機能性だけでなく、環境負荷を軽減する取り組みが評価されています。
アークテリクス

カナダ発の高級アウトドアブランドで、卓越した縫製技術と高性能な素材を採用したウェアが特徴です。
特に防水透湿性に優れた「ゴアテックス」ジャケットが有名で、耐久性と軽量性を兼ね備えています。
精密なデザインと革新的な製造技術により、多くの登山家やアウトドア愛好者から支持を得ています。
マムート

出典:MAMMUTホームページ
スイスの老舗アウトドアブランドで、高品質な登山ギアとウェアを提供しています。
特に厳しい環境に対応したプロフェッショナル向けの製品が多く、アルピニストやハイカーに人気があります。
最新のテクノロジーを活用し、防寒性・耐久性を重視したウェアを展開しているのが特徴です。
コスパ抜群のアウトドアウェアメーカー
コストパフォーマンスに優れたアウトドアウェアメーカーとして、中国や東南アジアの工場が注目されています。
弊社、THE CKB(直行便)においても、アウトドアと機能性ウェアに特化した以下のようなメーカーと長期にわたり提携しています。
生産商品 | スキーウェア、 アウトドアウェア、マウンテンパーカー、ウィンドブレーカーダウンジャケットなど |
メーカーの特徴 | 2つの生産工場、600人以上の従業員、工場面積2万平方メートル以上、30年以上の生産経験、毎月15万点を生産、30カ国以上に輸出 |
取引実績 | walmart、RAB、4F(フォーエフ)、berghaus(バーグハウス)、MOUNTAIN EQUIPMENT(マウンテン・イクィップメント)など |
これらの工場では、最新の縫製技術を活用しながらも、比較的低コストで高品質な製品を生産できます。
興味のある方は、ぜひ下記よりご相談ください。

アウトドアウェアのOEMメーカーが注目される理由とそのメリット

アウトドアウェア市場の拡大に伴い、多くのブランドがOEMメーカーを活用して製品を生産するようになっています。
本章では、アウトドアウェアのOEMメーカーが注目される理由とその利点について詳しく解説します。
アウトドア&機能性アイテムに特化したOEM生産のメリット
アウトドアウェアのOEM生産には、以下のような多くのメリットがあります。
メリット
- 最新の素材・技術を活用可能
- 開発コストの削減
- 量産によるコストダウン
- 豊富なノウハウの活用
特に、機能性アイテムに特化したOEMメーカーを活用することで、最新技術を採用した高性能な製品をスムーズに開発できます。
それぞれを見てみましょう。
メリット1:最新の素材・技術を活用可能
OEMメーカーは最新の素材や技術を持っているため、高品質な防水・透湿素材や軽量で耐久性のある生地を活用したウェアを生産できます。
メリット2:開発コストの削減
独自に工場を構えたり、専門の技術者を確保する必要がなく、開発コストを削減できます。
メリット3:量産によるコストダウン
量産時のスケールメリットを活かして、1点あたりの生産コストを抑えることも可能です。
メリット4:豊富なノウハウの活用
多くのブランドと取引しているOEMメーカーであれば、機能性やデザイン面でのアドバイスが受けながら、自社ブランドに最適なウェアを開発することができます。
このように、機能性アイテムに特化したOEMメーカーを活用することで、最新技術を取り入れた高品質なアウトドアウェアを効率的に生産し、ブランドの競争力を強化することが可能になります。
OEMでオリジナルアウトドアウェアを作る流れと注意点
最後にOEMでオリジナルのアウトドアウェアを作るステップを解説しますので、初めての方は、この流れを参考にして、取り組んでみてください。
ステップ1:デザイン決定
ウェアのコンセプトやターゲット市場を明確にし、デザインを決定します。この段階で、素材や機能性(防水・透湿・耐久性など)の要件も整理しておくことが重要です。
ステップ2:メーカー選定と契約
事前に複数のOEMメーカーを比較し、技術力やカスタマイズ対応の柔軟性、小ロット生産の可否などを確認します。
ここでの注意点として、トラブルを未然に防ぐため、価格・納期・品質保証の条件を詳細に取り決め、契約内容を明確にしておくことが大切です。
ステップ3:サンプル製作
実際の製造前に試作品を作り、デザインや機能をチェックします。
注意点としては、生地の質感や縫製の精度、防水性能などを細かく確認し、修正が必要な場合は、量産に向けて早めに対応することが必要です。
ステップ4:量産開始
サンプルが承認されたら、正式な量産に移ります。大量生産の場合は、品質管理体制をメーカーと共有し、不良品の発生を防ぐ仕組みを作ることが重要です。
ステップ5:品質チェックと納品
出荷前に品質チェックを行い、製品の仕様や耐久性が基準を満たしているかを確認します。
特に防水・耐久性を求めるアウトドアウェアでは、厳密な検査が必要ですので、第三者機関の品質検査を活用し、一定の品質基準を維持しましょう。
注意点としては、生産スケジュールを管理し、万が一の遅延に備えた対応策を準備することが必要です。
まとめ
アウトドアウェアメーカーを選ぶ際は、市場動向やメーカーの技術力、信頼性をしっかりと確認することが大切です。
国内外には多くの優れたメーカーが存在し、それぞれの強みを活かした製品を展開しています。
また、OEM生産を活用することで、オリジナルブランドの展開も可能になります。
自分に合ったメーカーを見つけ、高品質なアウトドアウェアを手に入れましょう。
