中国輸入の利益計算を徹底解説!利益率の改善方法5選!
中国輸入を始めたけれど、あまり儲かっていないと感じていませんか?
輸入ビジネスは国境を越える必要があるため、国内転売よりも経費の種類が多岐にわたります。
したがって、仕入価格が安いからといっても、経費をしっかり把握して販売をコントロールしなければ儲からないこともあります。
今回の記事では、中国輸入における利益計算の方法と、利益率の改善方法について解説しますので、最後まで読んで参考としてください。
目次
中国輸入の利益を求める計算式とは
中国輸入における利益は、下記の計算式で算出可能です。
利益=売上高-売上原価―総経費(輸送費+輸入経費+販売経費)
輸入ビジネスでは国内転売にない輸入経費がかかります。
また、経費の中で大きな割合を占める売上原価や国際輸送費も為替の動きによって変動するため、利益計算がより複雑になります。
ここでは、利益を求めるのに必要な5つの項目を詳しく見ていきましょう。
売上高
売上高は商品の売上によって得た総額のことで、売上単価×販売個数で計算できます。
もちろん、商品ごとに売上単価と販売個数は異なるため、それらの総額が売上高となります。
この計算は特に問題ないとい思いますが、値引きや返品の記録をしっかり記帳しておかないと、正確な金額になりませんので注意が必要です。
売上原価
売上原価は売上高に占める商品の総仕入金額のことです。
つまり、売り上げた商品の個数が100個だった場合、その100個に対する仕入金額になります。
しかし、中国輸入の場合、輸入代行業者を利用するのが一般的ですので、下記のコストが加算されます。
- 仕入代行手数料:商品金額にたいして3~8%が一般的
- 中国国内送料:仕入先から代行業者倉庫までの送料
ただし、業者によっては代行費用を商品代金に対してではなく月額料金で支払うところもあり、その場合、仕入代行手数料はかからないことが多いです。
売上原価は代行業者の利用状況によって変わりますが、仕入代行手数料がかかる場合、下記の式で求められます。
売上原価=(仕入金額+仕入代行手数料+中国国内送料)×為替レート
売上原価は売上高から差し引く費用の中で一番大きな割合を占めるので、為替レートの差も大きな影響力を持ちます。
輸送費
輸送経費は国際輸送料と日本国内輸送料を合わせたものになります。
国際輸送料
国際輸送料は利用する輸入代行業者や、船便か航空便かによって変わります。
経費の中では売上原価の次に占める割合が大きく、扱う商材が大型で重いものであれば、コストも大きくなります。
航空便の場合、サービスの内容によって変わりますが、重量で料金が決まり1キロ当たり15~25元が平均的です。
船便の場合は重さではなく容積で料金が決まり、日本に到着するまで10~15日程度かかりますが、費用は航空便より安く利用できます。
FCL(コンテナ輸送)かLCL(混載輸送)かによって条件がかわり、FCL(コンテナ輸送)は20フィートと40フィートというコンテナの長さで2種類に分かれます。
コンテナ輸送の送料の目安は下記サイトを参照ください。
TROY CONTAINER LINE LTD. FCL配送サービス
LCL(混載輸送)は、コンテナをフルに使えないような少量ロットの場合に利用する船便で、
複数の荷主の貨物を一つのコンテナにまとめて詰める輸送形式です。
そのため、FCLより送料が高目であり、到着先で貨物の振り分け作業があるため、一般的に荷物を受け取るまで20~30日程度かかります。
国内輸送料
国内輸送料は貨物が日本に到着して通関終了後、保税倉庫から所定の場所まで輸送するときに発生する送料です。
輸入代行業者によっては、日本国内での輸送まで費用に含めていることもありますので、その場合は輸送費に含める必要はありません。
輸入経費
輸入経費は、税関で支払う関税と輸入消費税であり、扱う商品の品目や金額によって変わります。
関税
一般的に関税は下記の計算式で求められます。
関税=(商品代金+送料・保険料等諸経費)×関税率
関税率には簡易関税率と実行関税率があり、課税対象金額が20万円以下の場合、簡易関税率が適用され、7区分に分類された品目により0~20%の範囲で課税されます。
課税対象金額が20万円を超える場合は実行関税率が適用され、品目も数千に分類されているので、扱う商材の関税率を実行関税率表から探し出さなければなりません。
輸入消費税
輸入消費税の課税対象は「商品代金+送料・保険料等諸経費+関税」になり、税額は下記の計算式で求められます。
輸入消費税額=(商品代金+送料・保険料等の諸経費+関税)×消費税率
消費税率は、課税対象金額が20万円を超えるか超えないかによって、下記の通り変わるため注意が必要です。
輸入消費税率
・課税対象金額が20万円以下の場合:8% (内国消費税6.24%+地方消費税1.76%)
・課税対象金額が20万円を超える場合:10%(内国消費税7.8%+地方消費税2.2%)
関税と輸入消費税ついての詳しい情報は、下記の記事で解説していますので、ぜひ参照ください。
販売経費
販売経費は商品を販売する販路によって異なりますが、基本的に下記のようなコストが該当します。
ECサイト利用料金
Amazonや楽天市場などのECサイトを利用して販売する場合は、各プラットフォームの月額利用料金や販売手数料などの諸経費がかかります。
また、AmazonではFBA(Fulfillment by Amazon)という販売者の商品の保管、梱包、発送、カスタマーサービスを代行するサービスがあり、中国輸入事業者の利用も盛んです。
物流や顧客対応のすべてを任せることもできるので非常に便利ですが、その分利用する内容に応じてコストもかかります。
FBAコストも含めAmazon利用でかかる費用は下記の記事で詳細に解説していますので、Amazonを利用しながらも稼げないというかたはぜひ参考にしてください。
外注化費用
中国輸入が軌道にのった時点で、さらなる規模拡大を図るため商品リサーチや、梱包・発送業務、顧客対応などをアウトソーシングするのが一般的です。
これらのコストはビジネスの成長に合わせて増えていきますので、費用の中に計上することを忘れてはいけません。
広告宣伝費
AmazonなどのECサイトを利用する場合は、準備されている広告サービスを利用することでコストがかかります。
また、独自に自社ECサイトを立ち上げて販売する場合は、SNSなどを利用して自力で広告宣伝を行う必要があり、その分のコストの見積もりが必要です。
中国輸入ビジネスを始めて暫くはブランド力もないので、Amazonなどのプラットフォームの集客力を利用するのが一般的です。
中国輸入における利益改善方法5選
前述のように中国輸入の売上高や各費用を把握して公式に当てはめることで、利益をつかむことができます。
しかし、その結果、思ったほど利益が取れていない場合は、改善に取り組む必要があります。
中国輸入ビジネスで利益の改善に大きな影響力をもつ要素が下記の3つです。
- 販売価格
- 仕入価格
- 輸送費用
販売価格を上げ仕入価格や輸送コストを下げることができれば利益率が改善されるので、取り組める要素から対応していくといいでしょう。
販売価格を上げる
販売価格を上げることは利益を増やすために一番簡単で手っ取り早い方法です。
しかし、前提として競合が居ないか少ない状況に限られており、また値上げすることで販売数量が落ちることもあるので慎重な対応が必要です。
リピート客が多い商品では、値上げ理由をお詫びとともに丁寧に伝えることで、販売の落ち込みをカバーできる可能性があります。
仕入価格を下げる
仕入価格を下げるのは、企業努力で可能なので是非とも取り組みたい対策で、下記の2通りの方法が挙げられます。
仕入先を見直す
中国ECサイトには同じ商品や類似品を扱う店舗が数多く存在します。
各店舗の仕入先工場が同じであったり、売れ筋商品であれば工場同士が競って生産しているので、店舗を変えることで同じ商品を安く仕入れることも可能です。
あまりにも仕入値に差があると、素材の違いや製造工程の違いを疑う必要がありますが、数パーセントの差であれば企業努力の成果と言えます。
念のためテスト仕入などをしてみて、品質に問題がなければ仕入先を変更するのも利益改善のために有効な手段です。
テスト仕入の方法については下記記事で詳しく解説していますので、必要に応じて参照してください。
仕入ロット数を増やす
中国輸入に限らず物販では、仕入ロット数に応じて仕入価格が変動するのが一般的です。
1個の仕入より10個、10個の仕入より100個とロット数を上げることで、仕入価格は安くなるので、販売力に自信がある商品においては利用しない手はないでしょう。
仕入れ頻度を1ヵ月に1度を2ヵ月に1度に調整することなどで、ロット数を上げることが可能になります。
ただし、やり過ぎると急激な市場の変化があったときに、在庫を抱えるリスクがあるので注意が必要な方法です。
輸送費用を下げる
輸送費用を下げるには、輸送手段を変える方法と、取扱い商品を変える方法があります。
輸送手段を変える
前述の通り、国際輸送費は経費の中で2番目に大きいため、輸送手段を変えることで輸送費を下げ利益を増やすことが可能です。
具体的には航空便から船便へ変えることで、大幅なコスト削減につながるでしょう。
しかし、中国から届く期間が長くなることを見越して、早めに発注する必要があり、生産・販売・在庫といういわゆるPSI管理を精度高く行う必要があります。
取扱い商品の大きさを変える
送料は重さや容量できまるため、大型商品を扱っている場合は、小さくて軽い商品に切り替えることで輸送コスト削減につながります。
ただし、急にラインナップを組み直すのも大変ですので、当面は利益に貢献していなラインナップの中から、下記のよう商品を仕入から外すといいでしょう。
- 単価が安いのに容積が大きい商品
- 重いため収益を圧迫している商品
まとめ
今回は中国輸入ビジネスにおける利益計算の方法と、利益の改善策について解説しました。
中国輸入において輸入代行業者の存在は極めて重要であり、利益改善策で解説した仕入先の変更や国際輸送費の削減においても、最適なサポートが得られるでしょう。
弊社「THE 直行便」は、中国に数多くの提携工場を持ち、国際輸送においても絶えず一番安い方法を利用しています。
中国輸入を始めたけれど収益に問題を抱えている方は、ぜひ一度ご相談ください。